投資情報フィスコ、謎のワイン会社買収 原資は傘下ネクスグループの転換社債発行での調達資金か


■去る5月28日、投資情報フィスコ傘下で、ジャスダック上場の連結子会社ネクスグループ(6634)が、シークエッジを割当先とする第6回無担保転換社債型新株予約権の発行を開示した。これにより3億円を調達し、同社の「M2M事業」に充当するとのこと。しかし、同様のファイナンスはこれで3度目で事業はいまだに赤字垂れ流しの状態。しかも調達資金がフィスコに還流し不可解なワイン会社の買収に充てられるなど、本当に事業をやる気があるのか疑われる。
■15年3月にネクスは第5回転換社債型新株予約権付社債を発行することにより約1,165百万を調達している。引き受けた面々は14年に第4回同社債発行時とほぼ同じで、傘下のSJIがファイナンスをした際にも登場している。引き受け手の一つであるブリランス・キャピタルはインスパイアーや石山ゲートウェイ、関門海、LCAなどリスクの高い銘柄に投資をしていた。資金使途はM2M事業の外注費が中心だった。
■ところがネクスは15年11月期中に、調達資金を上回る1,320百万をフィスコ子会社に貸し付け、一部が返済されたが未だに860百万の残高があるとのことだ。IR「第三者割当による第5回無担保転換社債型新株予約権付社債発行に関するお知らせ」ではいろいろと資金調達の必要性を説いていたが、カネが入った結果がこれである。
■第5回の払込がされた後の15年5月末時点のネクスの貸付金残高は2,856百万、同年8月末は2,635百万。子会社SJIの3月末の貸付残高は1,998百万、8月末は1,262百万なので、14年11月期より計上されているものを差し引いた600百万~900百万程度が調達後にネクスが新たに行った貸付となる。フィスコ、ネクス、SJIは同一グループであるにも関わらず決算期が1か月づつズレているので正確な金額はわからないが、ネクスの16年2月末時点の貸付金は1,890百万で、SJIの16年1月末の貸付金が465百万であるから、現在も1,400百万程度がフィスコを含めた外部に貸し付けている金額と思われる。
■貸付先の筆頭(900百万)が、フィスコが13年にシークエッジより521百万で買った㈱バーサタイルである。同社はコンサルティング事業に属しており、15年9月にMEC S.R.L. SOCIETA’ AGRICOLAなるイタリアのワイン会社株式を合計575百万で取得した。むろん、ネクスのM2M事業と関連性があるとか考えられないし、フィスコにとってもこの企業買収は必要だったのか重大な疑問がある。投資家にワインでも配るにしても5億は高い買い物だ。
■このような資金使途変更は過去にもあった。シークエッジがフィスコ株の54%を握った10年の増資では、890百万を調達しその資金使途を主にコンテンツビジネスとしていたが、後に資金使途を変更し連結子会社のフィスコ・キャピタル(コンサルティング事業)への貸付金(約564百万円)となった。最終的に、旅行事業会社のイー・旅ネット・ドット・コムの買収に充てられた。
■コンサルティング事業だが、セグメントの外部売上を見ると10年12月期61百万、11年16百万、12年126百万、13年67百万、14年129百万、15年46百万で△53百万の赤字。投下した資金に対して成果が上がっているようには思えない。フィスコに所属しているアナリストは、その素晴らしい分析力を自社の経営のために使ったほうが良いのではないか。
(文中敬称略)

2016年6月6日付レポート:「レセプト債」資金流出先に投資情報フィスコ(JQ・3807)親会社シークエッジ 破綻したオプティファクターから約4億5千万円

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