■インターネット上で多数の個人投資家等から資金を募り、まとまった資金を事業者へ貸付け、事業収益を分配する融資型クラウドファンディング(=ソーシャルレンディング)。数あるソーシャルレンディング会社の中で、太陽光発電施設への貸し付けをメインに、200億円近い金額を集めている「グリーンインフラレンディング」(港区赤坂、社長・中久保正己)の一部のファンドで、太陽光発電所等の売却で元利金を償還するとしていたが、実際は売買代金ではなく他ファンドで調達した資金などを原資に償還を行っている事が分かった。既に償還されたファンドの大半がこのような形式となっている可能性が高い。
■グリーンインフラレンディングは年利11%から13.5%という高利配当を謳い、4月頃までに合計約70本のファンドで資金を募集。そのうち、同月末時点で約30本のファンドが償還がされている。大半が太陽光発電事業に関する貸付で、調達資金で太陽光発電所を造成し、転売することで売買代金を原資として高利の資金を返済するとしていた。
■だが、下記の表にまとめたとおり、償還がすでに行われている案件であるにもかかわらず、別ファンドが新たに資金を募集し運用が継続しているものが少なくとも8件、案件に対するもので既に償還が終わったファンドは22本あることがわかった。仮に元金部分は預かった資金からそのまま返したとしても、金利は別から調達しなければ償還できない。こうした案件で発生している金利は概ね485百万程度である。
■このうち、グリーンインフラレンディングの第1号案件である北海道・1MWの太陽光発電所に対するファンドの運用はすべて終了しているように見える。だが、不動産登記に記載されている所有権は、2013年5月に元の所有者からグリーンインフラレンディングの親会社㈱JCサービス(社長・中久保正己)に移り、14年6月にトラスティーズ・アドバイザリー㈱⇒14年7月にJCサービスへと移転、さらに14年7月に㈱サユリインターナショナル⇒16年4月にJCサービスと転売が繰り返されて以降、5月時点で所有権は動いていない。売却ができないまま別原資の資金で償還したと見られる。
■また、関係者は「太陽光案件の規模に比して明らかに募集金額が過大だ」と指摘する。例えば九州地方で600kw(売電価格40円)の案件に対して、一時期グリーンインフラレンディングは330百万円もの資金を集めていたが、「土地付き太陽光発電所の相場からして、金利を抜きにしても募集金額以上で売却するのは無理だ」という。
■ところで、昨年に相次いで行政処分を受け、実質破綻状態にあるソーシャルレンディング会社「みんなのクレジット」では、貸し手と借り手が実質的に同じであったことが問題視されている。グリーンインフラレンディングも同様である。
■いくつかの案件の不動産登記によれば、物件の所有権等は親会社のJCサービスや同社のSPC(合同会社SOL~号)にある。そこに対して募集の際の金利を上回る15%で貸付ているのが金融会社のエスクローファイナンス㈱(中央区銀座、社長・須田幸生)である。同社役員にはJCサービスの中久保などが就いているほか、資金を集めるにあたって利用しているプラットフォーム「maneo」運営会社社長・瀧本憲治も一時期、取締役に就いていた。瀧本とJCサービスは「maneo」サービスの提供以外でも様々な取引関係があることが分かっている。
■当サイトはJCサービスに対して、償還資金の原資やエスクローファイナンスとの関係について取材を申し込み、回答期日を10日としていた。すると同社広報から「17日まで時間が欲しい」と連絡があった。しかし、今に至るまでなんら連絡はない。JCサービス及びグリーンインフラレンディングを巡っては太陽光発電所売買を巡り、複数のトラブルを抱えているとの情報も入っており、追って報じていく。(続く)
(文中敬称略)
自転車操業疑惑案件一覧
案件名 | ファンド名 | 募集 | 金利 | 月数 | 利息 | 返済期日 |
九州600kw 40円 太陽光 | 第4弾 メガソーラーローンファンド | 100 | 12.0% | 12 | 12.0 | 2018/2/28 |
第5弾 メガソーラーローンファンド | 150 | 12.0% | 12 | 18.0 | 2018/2/28 | |
第6弾 メガソーラーローンファンド | 80 | 12.0% | 12 | 9.6 | 2018/2/28 | |
第20弾 メガソーラーローンファンド | 250 | 11.5% | 0.0 | 2018/11/30 | ||
計 | 39.6 | |||||
四国14MW 32円 太陽光 | 第3弾 メガソーラーローンファンド | 200 | 11.0% | 12 | 22.0 | 2018/1/31 |
第9弾 メガソーラーローンファンド | 500 | 12.0% | 0.0 | 2018/10/1 | ||
計 | 22.0 | |||||
中国地方18.9MW 36円 太陽光 | 第2弾 オープン記念ローンファンド | 270 | 12.0% | 12 | 32.4 | 2017/10/31 |
第13弾 メガソーラーローンファンド | 100 | 12.0% | 6 | 6.0 | 2017/10/31 | |
第15弾 メガソーラーローンファンド | 300 | 12.0% | 8 | 24.0 | 2018/2/28 | |
第16弾 メガソーラーローンファンド | 400 | 12.0% | 7 | 28.0 | 2018/2/28 | |
第3弾 貸付残高100億円突破記念ローンファンド | 450 | 13.0% | 0.0 | 2019/2/28 | ||
計 | 90.4 | |||||
東海50MW 24円バイオマス | 第5弾 バイオマス発電ローンファンド | 300 | 11.0% | 5 | 13.8 | 2018/1/31 |
第1弾 70億円突破記念ローンファンド | 200 | 13.0% | 7 | 15.2 | 2018/4/2 | |
第7弾 バイオマス発電ローンファンド | 350 | 12.0% | 0.0 | 2018/11/30 | ||
計 | 28.9 | |||||
東海30MW 34.2円 太陽光 | 第10弾 メガソーラーローンファンド | 150 | 12.0% | 13 | 19.5 | 2018/5/1 |
第1弾 30億円突破記念ローンファンド | 650 | 13.0% | 12 | 110.5 | 2018/5/1 | |
第11弾 メガソーラーローンファンド | 350 | 12.0% | 8 | 28.0 | 2018/1/4 | |
第18弾 メガソーラーローンファンド | 350 | 12.5% | 0.0 | 2020/1/6 | ||
計 | 132.0 | |||||
東北8MW 36円 太陽光 | 第8弾 メガソーラーローンファンド | 400 | 12.0% | 12 | 48.0 | 2018/4/2 |
第12弾 メガソーラーローンファンド | 50 | 12.0% | 11 | 5.5 | 2018/4/2 | |
第3弾 150億円突破記念ローンファンド | 450 | 12.5% | 0.0 | 2018/10/1 | ||
計 | 53.5 | |||||
北海道1MW 40円 太陽光 | オープン記念ローンファンド | 150 | 12.0% | 10 | 15.0 | 2017/8/31 |
第1弾 メガソーラーローンファンド | 200 | 11.0% | 6 | 11.0 | 2017/5/31 | |
第2弾 メガソーラーローンファンド | 50 | 11.0% | 7 | 3.2 | 2017/8/31 | |
第14弾 メガソーラーローンファンド | 200 | 12.0% | 5 | 10.0 | 2017/11/30 | |
第17弾 メガソーラーローンファンド | 200 | 12.0% | 7 | 14.0 | 2018/4/2 | |
計 | 53.2 | |||||
北海道2MW 40円 太陽光 | 第7弾 メガソーラーローンファンド | 300 | 12.0% | 10 | 30.0 | 2018/1/31 |
第3弾 70億円突破記念ローンファンド | 500 | 13.0% | 7 | 37.9 | 2018/4/2 | |
第19弾 メガソーラーローンファンド | 300 | 12.0% | 0.0 | 2019/1/31 | ||
(単位:百万円) | 計 | 67.9 |
こんにちは、私はラキバンとグリフラに老後の生活資金の大半を投入している61才の
老人です、5月の連休明けにラキバンの遅延で大変なショックを受けたのですが
グリフラがまさかの貸し倒れになったらどうしようか?と
もんもんとした日々を送っています。
これも己の欲が引き起こした事態ではあるのですが、どうにもやりきれません…
同じ思いをされている方も多いと思いますが、大変高額な授業料と成らない事を
祈るばかりです。
心配ではありますが、最近はリファイナンス資金として募集しているので、単純に自転車操業と言うのはいかがなものでしょうか? どの企業でも借り換えで運転資金を調達していますよね。
グリフラは破産して、集めた資金は中久保が持ち去ってトンズラという構図ではないでしょうか。
マネオは他人のフリなんでしょうね。
JC証券行政処分。ヤフーニュースに載るようじゃおしまいよ。
みのむし様、ほか、皆様
グリーンインフラレンデイングの償還留保については、マネオマーケットの滝本社長の複数の投資者向け説明会(7月)が開かれています。一部ブロガーが公開されています。 基本的には、マネオマーケットも一体となって、償還していくスタンスです。この点が、みんなのクレジットと異なるところです。
金融庁の法令の趣旨も、投資者に期します!
当方も、利率が高いので確認、投資先の活動実績、経済産業省認定、担保、特にタイのゴム古材を使用するバイオマス発電の評価など信頼、複数、投資しました。 LCレンデイングから変更したファンドが中心でした。 この上は、遡った利息などは不要、マネオマーケットと一体、ファンド期日までに、償還元金だけでも返金願いたいと思います。
maneo「対象ローンについて返済期日が到来致しましたが、最終資金資金需要者の返済原資となる開発案件等の売却が行われておりません。改めてグリーンインフラレンディング社を介して状況を確認致しましたが、本日までに返済金の入金日について確定的な回答を得られませんでした。」
やはり売却全然進んでないんじゃないか。破産確定だな。説明会ではmaneoが売却先斡旋しているとかぬかしてやがったが、何もしてないんだろうな。