■10日付の『朝日新聞』の報道等によると、警視庁捜査2課は10日、投資セミナーに参加した女性に架空の事業を持ち掛け、女性が持つ不動産を金融機関に担保提供させたとして、男ら3人を逮捕したという。関係者によると、逮捕されたのは17年に破綻した投資セミナー『Hana倶楽部』を主宰していた飯田正己らで、被害者の女性の不動産を担保に取った〝金融機関〟は融資型クラウドファンディング大手「クラウドバンク」関連会社であることが分かった。
■被害者の女性は『Hana倶楽部』に参加し、飯田らの誘いに応じて多額の投資詐欺被害に遭っていたようだ。その後、金融ブローカーらが被害女性に「投資被害を取り返せる」と、今回の逮捕容疑に繋がる架空の事業を持ち掛けたようである。被害女性は、容疑者らが経営に関与する会社の取締役に就任し、この会社が借入れた債務の連帯保証人となり、港区に持つ土地建物を担保提供した。債権者は『クラウドバンク』の代表が経営する会社名義となっている。
■この事件、詐取されたのが金銭ではなく不動産ということで話が複雑になっている。時系列で整理すると、クラウドバンクの代表が経営する会社は17年11月に、今回逮捕された容疑者が経営する会社に約3億円を融資し、被害女性が融資に対して不動産を担保提供している。ところが融資後、ほどなく債務不履行となったと思われ、18年5月に女性の不動産に対して競売が申し立てられていた。
■つまり被害女性は、『Hana俱楽部』で現金などを詐取されただけでなく、不動産さえも奪われる『二次被害』遭ったわけである。『Hana俱楽部』と被害女性を繋いだのは、数年前に融資詐欺で逮捕された大物金融ブローカーとの情報もあり、詳細が分かり次第、追って詳報する(文中敬称略)。