■香川県の第一地銀、百十四銀行の渡辺智樹・代表取締役会長が昨日10月29日、今月末で会長職を辞任することを明らかにした。新聞報道では、今年2月の取引先の会食の席上で、取引先が女性行員にセクハラをした現場に同席し、それを制止できなかったことの責任をとって辞任、とされている。だが実は、来たる11月1日発売の『ZAITEN』(財界展望新社)12月号の報道を受けて辞任したのが真相のようだ。
■『ZAITEN』12月号は「百十四銀行・渡辺会長『女性行員セクハラ事件』」と題して、20代の入社間もない女性行員が、渡辺会長ら最高幹部と得意先の出席する宴席にて「セクハラの範疇を超えた行為」を受けた事実を3ページにわたって報道。また、同誌の取材を受けた広報の異様な狼狽ぶり、そして隠蔽ぶりを報じている。自行の若い社員が変態に弄ばれるのをただ傍観していたとは、なんとも情けない話である。
■新聞報道では、今年5月にこのセクハラ行為が社内調査で発覚し、6月に報酬・賞与の減額処分を受けていたが、その後社外取締役の指摘で第三者による再調査を実施した結果、今回の辞任に至ったとされている。これだけでは、なぜこの時期に調査が再開され、辞任に至ったかという不可解さが残るだけだ。『ZAITEN』編集部からの取材を受け、この事案が報道されることが避けられないと判断した結果、「社外取締役からの指摘を受けて」という筋書きを急遽書いたと考える方が合理的である。しかも、渡辺会長は相談役に残留、会食に同席していた執行役員で現・今治支店長の処分はまだ明確にされておらず、会長辞任で騒動の「幕引き」を図ったと評せざるを得ない。
自分の銀行の女子行員が、銀行取引先の男から、セクハラのなぶりものにされているのに制止も出来ず、ただ傍観していたとは、言葉を失う非道な対応だ。これが、銀行の顔
である会長のなせる業か!これでは、セクハラをした人物と同罪であり、又それ以上に
罪深い所業だ。穿った見方をすれば、接待する取引先の人間性を知悉していた上で、
自行の女子行員をホステスまがいのサービスを提供させる人身御供のつもりでその席に
連れていったのではないかとの疑惑が捨て切れない。取引先の悪趣味を満足させて
ご機嫌を取る事が、銀行サービスの勘所だとでも本気で思っているのか!恥を知れ!