■人材サービス大手の東証一部リクルートホールディングス(千代田区、社長・峰岸真澄)の金融サービス子会社、リクルートファイナンスパートナーズ(中央区、社長・金光竜二)の内部情報が、関連会社の元社員により不正に持ち出されていたことが当サイトの取材で分かった。就職情報サイト「リクナビ」の就活生「内定辞退率」予想データ販売問題で揺れるリクルートHDだが、ここにきて情報管理を巡る新たな不祥事が燻っている。
■リクルートHDによると、今年5月30日、リクルートファイナンスパートナーズのシステム開発にあたっていたリクルートテクノロジーズ(千代田区、社長・清水淳)の元社員が情報を不正に持ち出していたことが発覚。6月13日に金融庁に報告し、監査法人によるフォレンジック等の対応を行ったという。
■リクルートHDは取材に対し、「リクルートテクノロジーズ元従業員がリクルートファイナンスパートナーズのシステム開発に関する情報を個人が保有するクラウドストレージ及びPCにコピーしておりました。当社の定期調査により、本事象が発覚し、持ち出された情報には①顧客情報がないこと②2次流出していないことを確認するとともに、全ての情報の削除の確認を完了しております」と回答し、「社内情報とはいえ、弊社の元社員による社外への情報持ち出しがあったことは遺憾に思います。このようなことが、今後起きないように、再発防止に努めてまいります」と陳謝した。
■リクルートファイナンスパートナーズは2016年7月に設立され、本格的に金融事業を始動したのは一昨年頃。リクルート系媒体の『じゃらんnet』『ホットペッパー』等に広告を掲載している事業者向けにオンライン完結型の小口融資事業を行っている。金融セクターに参入を目指すリクルートHDで「顧客情報流出」となれば一大事だが、リクルートHDは当サイトの取材に再三、「顧客情報の流出はなかった」と述べている。しかし、流出した情報の件数や、監査法人によるフォレンジック後の報告などについては「適切な対応を行っている」として回答を拒んでいる。
(文中敬称略)