ハコ企業の末路 上場廃止のインスパイアーが第二回債権者集会 6億の現金が雲散霧消 


■2014年9月にジャスダック上場廃止となり、15年10月に破産開始決定を受けたインスパイアーの第二回債権者集会が6月14日、東京地裁であった。関係者によると、負債総額9億円に対して破産財団が収集した金額は僅か360万円で、14年3月期に計上されていた現金6億円が文字通り「雲散霧消」していることが分かった。
■6億円の出所は上場廃止直前に実施した、TNDウェアハウス社長の林功などを割当先とする第三者割当増資で払い込み。林は増資資金を調達するにあたって、実質年利120%の超高利で借入を行ったという事情もあり、高利貸しに嵌められているのではないか、と心配する声もあった。インスパイアー株は無価値となり、会社も空っぽということで、目も当てられない結果となっている。
■集会では一部の債権者から「ケースタイルなる会社の1億5千万円の保証金の存在」について質問が出たのに対し、管財人が「重く受け止めたうえで調査を進める」と返答したという。インスパイアー事件で「ケースタイル」が登場したのは今回が初で、ハコ企業の裏側が今後、明るみに出てくると思われる。
(文中敬称略)

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