『現代ビジネス』が財務状況に指摘の東証一部DLE(3686)、「東京ガールズコレクション」への投資にも不透明感 


■去る8月11日、講談社のニュースサイト『現代ビジネス』が、東証一部上場DLE(コード3686)の財務の怪しさに関する記事を掲載した(執筆は大熊将八)。DLEと言えば社長・椎木隆太の娘である椎木里佳が自称“女子高生社長”としてバラエティ番組に出演、ダイヤモンド社から自著を出版するなどして有名だったが、目立つのは本人ばかりで事業実態が定かでないという点で“ネオヒルズ族”与沢翼と同じ匂いを発していた。
■大熊は記事の中で、DLEの売上債権回転期間の上昇と有利子負債の増加、現金の減少を捉え、同社の資金繰りへの懸念や海外子会社における売掛金の滞留可能性を示唆した。確かにDLEの財務は怪しい。近年の順当な増収(25年6月期・942百万円、26年・1,742百万円、27年2,018百万円、28年3,079百万円)に比して、単一セグメントにもかかわらず営業利益率は乱高下している(25年6.8%、26年17.8%、27年16.4%、28年8.1%)。売上債権回転期間の長期化は顕著(25年1.61月、26年2.45月、27年5.71月、28年3.84月)で、営業CFは26年からマイナス幅を広げている。
■つまり、大幅な増収、売上債権回転期間の長期化、有利子負債の増大、営業CFの恒常的なマイナスという定量情報だけみれば、財務状況になんらかの異常が発生していると推察される。
■DLE担当者は次のように説明する。「従来のフラッシュアニメーションなどで製作委員会を作っていた場合は、案件の規模が数千万円程度であったが、実写映画やいわゆる手書きのアニメーションに出資をするようになり、案件が大型化している。債権の長期化については認識しており、短縮についての努力をしている」。なお、海外事業の売上は全体の10%未満にとどまるので、「大型案件」は国内のものと思われる。
■財務の次に注目されるリスクが、同社の重点事業の一つである東京ガールズコレクション(TGC)だ。DLEは今年9月にTGCの運営会社である㈱W media(旧、F1メディア)を4億円で取得するとのことであるが、大熊が指摘した通り買収を自己資金で行えるか微妙だ。
■W mediaの28年3月期は△60百万円の債務超過である。近年、増収傾向にあるとはいえ、24年3月期から5年累計で△142百万円の赤字だ。開示ではW mediaの企業価値評価方法は記されておらず、4億円の値付けがどのような算定根拠により行われたのか不透明と言わざるを得ない。また、商標権の運用ならまだしも、DLEにTGCのようなイベントをマネジメントする能力があるのか、問われるところだ。
■TGCに疑いの目を向ける理由はもう一つある。DLEは昨年6月にTGCの商標権を「日本知財ファンド1号投資事業有限責任組合」より8億円で取得している。買収の際の開示では、この「知財ファンド」とDLEの関係性は無しとされていたが、同ファンドはDLE公開時に第二位(約13%)の株主だったドリームインキュベータ(東証一部:4310)の連結子会社である。
■ドリームインキュベータはこの取引で同社全体の営業利益(28年3月期)の7割に相当する385百万円を稼いだ。ドリームインキュベータはDLEの27年6月期2Q(26年12月末時点)まで5.7%を保有する大株主であったが、27年6月期末までに持ち株を売却し、同期末決算時は関連当事者に該当しなくなっている。しかし直近まで浅からぬ縁があったのは事実であり、DLEのTGCに対する割高な投資の背景には、前述のような元オーナーとの関係が影響しているのではないか。
■蛇足だが、TGCは昨年の総会で委任状争奪戦が繰り広げられたジャスダック上場の共同ピーアールでも登場している。
(文中敬称略)

2015年1月28日付:【東京アウトローズ3行情報】 共同ピーアールの大株主に「東京ガールズコレクション」の矢吹満、老舗PR会社の迷走が表面化

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