アベノミクス象徴銘柄「ユーグレナ」、度重なる設備投資計画の延期 東京大学との「微細藻類の資源化」に関する共同研究は6月末で終了


■二度あることは三度ある、とはよく言ったものだ。アベノミクスを象徴する人気銘柄ユーグレナ(東証一部:2931)は12日、この夏に着工予定としていたバイオ燃料製造実証プラントの計画を延期し、着工を来年夏、竣工を平成29年冬から30年冬と変更した。計画の延期はこれで三度目である。
■ユーグレナはIPOで調達した約70億円のうち、43億円をエネルギー・環境事業のためのバイオ燃料生産設備に充てるとしていた。2013年11月の開示では、本来は14年10月着手、16年4月には沖縄県石垣市に生産設備が完成していたはずであった。ところが、その計画がなんのIRもなしに1年延期されていた。14年9月期の有報では15年9月着手、16年4月完了、と記されている。
■この計画も、15年9月期の有報では設置場所を沖縄県石垣市から神奈川県横浜市に、着手が15年6月、そして竣工が18年12月、とまた延期されている。重要な点は設備の名称にもある。沖縄県に設置予定だったものは〈藻類由来油脂開発・生産設備〉だが、横浜市に予定地が移ってから〈実証プラント〉に変わっている。「実証」とは研究段階で用いられる言葉であり、つまり設備の用途に変更が生じた、ということではないのか。いずれにせよ、設置場所や度重なる計画の延期について、ユーグレナは資金使途変更として詳しく開示すべきである。
■今期中には、(独)科学技術振興機構から受託していた「戦略的創造研究推進事業(CREST)」が終了している。また、14年7月から続いていた東京大学との「微細藻類の資源化に向けての研究」の共同研究契約も、16年6月末で終了していることが分かった。14年9月期の有報では契約期間が15年6月末までとされており、一度は延長されたようである。今期までとされていたいすゞ自動車と近畿大学は継続している。なお、09年から「バイオ航空燃料」研究のパートナーであったJX日鉱日石エネルギー及び日立製作所との共同研究契約も、15年3月で終わっている。
■ユーグレナは今回の設備投資計画延期と同時に、業績予想の上方修正を出した。修正予想では経常利益が826百万円からちょうど1,000百万円になるというが、あくまで健康食品屋としてのコスト削減が図られただけだ。エネルギー事業の売上は16年9月期の3Q時点で2.3百万円で、3Q期間中は売上がゼロだった。「健康食品屋」としての本質は、昨年から変わっていない。
(文中敬称略)

2015年2月10日付:東京アウトローズ「【沖縄現地取材】 アベノミクス象徴銘柄「ユーグレナ」、ミドリムシ大量培養は本当に独自技術なのか、巨額設備投資計画の遅延判明、増資資金も不透明な債券投資に」

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