【ミニ情報】巨額詐欺「総合電商事件」の手口、高利回り謳う〝リースバック商法〟で被害拡大


■12%の利回りを謳う「設備の大家さん」勧誘資料
■12%の利回りを謳う「設備の大家さん」勧誘資料

昨年12月、高圧受電設備(キュービクル)の販売・メンテナンスを手掛ける㈱総合電商(代表・加藤晋)が東京地裁に自己破産を申請し、破産手続開始決定を受け、破産管財人による調査が進められている。総合電商は06年創業から一貫して右肩上がり成長を続け、直近の21年5月期売上高は59億円。だが昨年秋から信用不安がささやかれ、12月上旬に創業者の中保人が死去すると同時に倒産に至った。負債総額は約15億円とされ、一見するとさほど大きくもないこの倒産の裏側には、巨額詐欺事件が見え隠れしている。
■総合電商は、北海道のコンビニやスーパーなどの商業施設に設置してあるキュービクルの販売やメンテナンスを手掛けていたが、近年は専ら、「設備の大家さん」と称し投資家から資金を募る〝リースバック商法〟に手を染めていた。
■当サイトが入手した勧誘資料によると、総合電商は投資家にキュービクルを売却すると同時に、総合電商が当該キュービクルを5年間リースバックする契約を締結。投資家は5年間、リース料で年間12%の利回りが得られ、契約が満了すれば総合電商がキュービクルを買い戻し、売買代金と同額が得られるという。実態としては、リースバックを名目とした年利12%(実質は11%)の投資案件である。
■投資単位は1口50万円から。総合電商は預かった投資資金をキュービクルの売買代金として計上できるが、5年間は12%のリース料を支払わなければならないし、後に元金を償還しなければならない。投資家からすれば総合電商の信用力が問題となるが、勧誘資料には大手信用調査会社による総合電商の評点を堂々掲載。「帝国データバンクで56点というのは、なんら問題なく融資できる良い会社の点数」(金融業界関係者)とのこと。

■大手信用調査会社の評点を見せつける総合電商の勧誘資料
■大手信用調査会社の評点を見せつける総合電商の勧誘資料

■だが破産管財人の報告によると、キュービクルの多くは多重譲渡されていたようで、詐欺に近い形で投資勧誘が行われていたようだ。ある信用調査員は「金融業界で悪名轟く『架空リースのプロ』が総合電商に入り込んでいた」と指摘する。
■破産管財人の報告では、4月中旬時点で把握できているリース料債権の届出額は60億円とのことである。総合電商がキュービクルのリースバック商法を始めたのは18年10月。グループの売上高は19年5月期49億円、20年5月期56億円、21年5月期は59億円である。合計164億円のうち、全てがリースバック商法による売上ではないものの、総合電商が支払わなければならないリース料はさらに膨れ上がるのではないか。
■前述の通り、総合電商の創業者・中保人は自己破産翌日の昨年12月9日に死亡しているが、水面下では倒産に向け事前準備がされていたようである。倒産直前の12月4日、総合電商代表は中から加藤晋に変更。関連会社のSD電工でも12月3日、代表が加藤晋から茅根健一に異動となっている。また、関係会社のNet電気では、総合電商がリース料の支払い遅延を公表した昨年11月の前月に、代表が中保人から松里大に異動となっていた(文中敬称略、つづく)。

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