【ミニ情報】「テラ偽計事件」犯行グループが騙っていた東証スタンダード「石垣食品」増資案件


今年2月、東証スタンダード上場テラに虚偽の適時開示を行わせた金融商品取引法違反(偽計)容疑で、警視庁捜査2課などに逮捕された同社提携先「セネジェニクス・ジャパン」元代表の竹森郁が、2021年1月頃、東証スタンダード上場の石垣食品(2901、社長・小西一幸)の第三者割当増資を引き受けるとして、知人から資金を集めていたことが分かった。
当サイト既報の通り、竹森は20年にテラの相場で一儲けしていたテラに新型コロナ治療薬関連のリリースを発表させ、株高を演出すると同時に、同社創業者の矢﨑雄一郎や、同社に投資していたレオス・キャピタルワークスから仕入れた「タネ玉」を売り抜け、巨額の利益を挙げたとされる。
■一方その頃、石垣食品は20年に費用の計上時期等に関する不適切会計が明らかとなり20年3月期に債務超過に転落21年3月末までに債務超過を改善しなければ上場廃止となるリスクがあった。本業は赤字のため、債務超過を回避するには増資しかなかった。
■竹森に資金提供した男性によると、竹森やその側近は昨年1月中旬、同年3月末に実施される石垣食品の増資を引き受けられると周囲に持ち掛け、男性から2500万円を受け取ったという。しかし、現実に石垣食品の増資は実施されるも、引受先は株式会社ランニングの辛澤1者で、竹森が引受先とはならなかった。だが、竹森に預けた2500万円はそのまま返ってくることはなかったという。
■竹森らは増資引き受け後も、石垣食品や引受先の辛との接触を継続していると資金提供者の男性に伝えている。実は、石垣食品の増資引受先に竹森の資金が入っているということも考えられたが、石垣食品は当サイトの取材に、竹森と面識は全くなく、割当先として検討したことすらないと回答した。
■なお、テラは現在、竹森に損害賠償請求訴訟を提起するなど竹森ら「テラ偽計事件」犯行グループと決別したように見えるが、資金提供者の男性は、いまも残党がテラに影響力を有していると証言している。(文中敬称略)

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