【ミニ情報】オウケイウェイヴが被害「ポンジスキーム事件」、破綻した合同会社代理人が突如辞任


■名証ネクスト上場「オウケイウェイヴ」が数十億円を騙し取られるなどしたRaging Bul合同会社(代表 スニール・ジー・サドワニ)の巨額ポンジスキーム事件で、4月にRaging Bul合同会社の債務整理を受任した山中眞人弁護士(狛・小野グローカル法律事務所)が7月29日、代理人を辞任していたことが分かった。渋谷法律事務所の常磐弘司弁護士らに引き継がれたという。
■山中弁護士は7月29日付で債権者らに通知した文書に、辞任した理由として、破産手続きに必要な予納金が支払えないことを挙げている。

〈裁判所から、高額の予納金(1000万円)の支払を求められました。それは、対象会社には支払うことのできない金額でした(対象会社は約200万円の現金を有しているのみです)…略…当職は、既に提訴している裁判からの回収可能性を説明しましたが、裁判所には取り合って頂くことができませんでした。そこで、一旦、申立てを取下げざるを得ませんでした…略…上記第1記載のような状況であったところ、ある債権者から、新しい代理人候補がいるので、状況を変えるためにも、代理人を交代してはどうかとの意見が出されました〉(山中弁護士の通知文より抜粋)

■しかし、予納金が支払えない状況は、代理人変更によって解決するとは思えない。また、山中弁護士は同じ通知文で、ポンジスキームで利益を挙げた債権者への請求について、「敵前逃亡」とも取れる主張を展開していた。

〈対象会社は自転車操業を繰り返していたものであり、投資元本の返還を受けておられない投資者がおられる一方で、対象会社から投資元本を超える額を運用益の名目で受領し、プラスの運用となった投資者もおられます。中でも、特定の海外の投資者に約60億円もの支払いがなされていることが判明しました。ただ、その投資者は、対象会社から支払いを受けるに際し、毎回、日本の著名な法律事務所の弁護士を代理人につけて英文契約を作成した上で、支払をうけていました。よって、当該投資者から見た場合、支払の受領に法的根拠があることになるものと考えられます。また、仮に、当該海外の投資者を訴えて勝訴したとしても、回収は海外で行うことになります。勝訴すること自体が困難ですが、海外での回収となりますと、より多くの困難が予想されます。したがって、当該投資者から返金を受ける(回収を行う)のは不可能又は著しく困難と思料されます〉(同前)

■山中弁護士は受任直後の4月末に、オウケイウェイヴの社外取締役の廣瀬伸光と同社元代表の兼元謙任に不当利得返還請求などを提訴し、勇ましかったが、この数カ月間に何があったのだろうか。(文中敬称略)

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