元住友銀行副頭取の蓄電池ベンチャー「エリーパワー」がひた隠す「惨憺たる業績」 多方面に減損リスクが浮上


エリーパワー■元住友銀行副頭取で、系列の住銀リース社長などを歴任した吉田博一が設立した蓄電池メーカー「エリーパワー」(品川区、非上場)という会社がある。銀行マンから電池ベンチャー立ち上げという異色の経歴が予てから注目を集めており、今年5月の日経新聞のインタビューでは上場を口にするようになった。だが、同社には周囲にひた隠す秘密がある。それは決算情報だ。
■なぜなら過年度の決算が惨憺たる赤字だからだ。信用調査会社の情報では、2016年3月期は売上高約50億円に対して営業利益は△38億円、当期純利益は△43億円である。当サイトが関係者から得た情報では、過年度の最終損益は2012年△18億円、13年△28億円、14年△30億円、15年△41億円と赤字体質で、2017年3月期の赤字幅は「さらなる広がり」を見せると思われている。
■同社に過年度の業績などについて取材したが、「当社は業績について公表しておりません」と回答。上場をめざす会社が決算情報をひた隠す理由は何か。経営者の性格など諸々の理由はあるが、1つは出資者側の都合があると思われる。
■吉田は過去のインタビューなどで、古巣の住銀などに頼らずに、独自に各社を回り出資を募った、とよく回顧している。たしかに315億円という超巨額の資本金を調達しているが、株主の面々をみると大和ハウス(約32%)を筆頭に三井住友銀行グループと関係の深い企業ばかりだ。
■問題は、エリーパワーが上記に述べたような巨額の赤字を計上し続けたのであれば、純資産の大半が既に毀損されていると考えられ、結果として出資企業が減損を迫られる恐れがあることだ。なお、大和ハウスは2016年3月期時点のエリーパワー株式の計上額について「公開している情報ではない」として明らかにしなかった。
(文中敬称略)

※エリーパワー社の会社情報

元住友銀行副頭取の蓄電池ベンチャー「エリーパワー」がひた隠す「惨憺たる業績」 多方面に減損リスクが浮上” への7件のフィードバック

  1. 前に働いていたことがあります。
    もう何年も前から、来年上場すると言い続けています。
    関西工場の話もありましたが未だ進んでいません。
    製品は家庭用、工場用のラインナップしかなく生産能力に対し
    受注、出荷数は遠く及びません。
    儲からなくて当然です。

    秘密主義は外部に対してだけでなく、社員の間でも秘密主義が
    徹底されています。技術流出を防止したいようです。

    全社員に周知されているのは、社長の作った精神論くらいですね。

    小泉元首相も試乗したエリーカという電気自動車は当時は画期的だった
    ようですが、自動車に参入しようという話はなかなか進みません。
    一時スズキ自動車との提携の話もありましたが、立ち消えになりました。

  2. 以前から吉田社長の強制的な資金調達は問題視されていました。元住銀副頭取と言う経歴を利用して半ば強制的にあたかも割り当て式に住銀の取り引き企業に出資を強要したと聞いています。バッテリー関連の人たちは、エリーパワーは絶対成功しないと言ってました。銀行マンや大学の先生が考えるほどビジネスは甘くないと言うことを証明した事例だと思います❗(笑)

  3. やる気の問題ですね、やる気のある人が集まれば何でも上手く行きます。

    この会社に足りないのは、たぶん売るのが上手い人ですね。

  4. 入社辞退してよかったです。
    面接の時の話が少し眉唾に感じたのは気のせいじゃなかった・・・。

  5. 会社設立当時に付き合いがありましたが、社長が全く市場を向いておらず我が道を行くスタンスで、使いにくい製品ばかりでした。大和ハウスが何故あそこまで出資を続けているか分かりませんが、多分泥沼状態の認識は大和ハウスにはあろうかと思います。代取に優秀な方がいますが、社長の犠牲で気の毒です。いつまで保つんでしょうか?社長が替わってももう手遅れでしょう。

  6. 川崎第2工場の立ち上げに関わりました。
    大容量蓄電池の最大の問題である安全性へのこだわりは良いと思いましたが、なにしろ高すぎる。鉛蓄電池と争えるくらいに安くならないと普及は難しい。
    大手電機メーカーの技術者が集まってますが、精神論が強すぎるのも問題だと思いました。

  7. エリーパワーがこんなにも厳しかったは知りませんでした。大型リチウムイオン電池に取り組んでいて期待していたのですが、、、

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