【ミニ情報】迷走するジャスダック上場イメージ情報開発、証券市場“不良業界人”が跋扈


■ジャスダックに上場する時価総額十数億円程度の小型株・イメージ情報開発㈱(社長・代永衛、以下イメージ情報)が一部の金融ブローカーの間で話題となっている。ITシステムコンサルティングや運用・保守業務を主業に06年上場した同社は、社長がのめり込んだ本業とは脈絡のないブローカー案件が悉く失敗。資金繰りに窮する中、社内には往年の「ハコ企業」関係者が入り込んでいる。
今年2月27日、イメージ情報は代永を割当先として、行使されれば最大300百万円を調達できる第一回新株予約権を発行。その開示で、昨年10月に実施した持株会社化に反対した第5位株主・奥平健一からの株式買戻や、「スポーツ全体のIT化」を掲げるエクストップエスオー㈱への出資により、昨年12月末時点で現預金が43百万円となっていることが明かされている。同社1カ月あたりの運転資金は約30百万円で、危険な水準と言える。
■繰り返しになるが、イメージ情報の企業経営を狂わせたのは、ブローカーが持ち込んだ本業とは全く関係のない事業への投融資である。2013年にイメージ情報は㈱北栄の沖縄における海砂利採取事業に参入。14年3月期中に約285百万円を貸付け、同社株式を50%取得。15年3月期中も追加融資をしたが、17年3月期中に返済が滞ったとして188百万円の貸倒引当金を計上。昨年11月には債権全額(未収金を含む)を貸倒処理し、18年3月期に315百万円の貸倒引当金を追加計上している。
■結果として約4億円の現金を消失する失態を犯したのだが、ここで指摘しおきたいのが、貸倒引当金計上のタイミングが不適切な疑いがあるという事だ。北栄は12年7月に事実上倒産している。14年11月には同社土砂採取船「第十八北栄」がパナマ船籍の貨物船と衝突する事故が発生し、船が全損した。当初から北栄に信用力は無く、14年11月時点で事業は破綻していたのである。
■当サイトの調べでは、北栄への約400百万円相当の融資金は、16年3月期第3四半期中に返済期日が来ており、一度ロールオーバーされている可能性が高い。すなわち、16年3月期時点で返済は滞っているわけであり、本来は16年3月期に引当金を計上すべきだったのではないか。その場合、イメージ情報は15年3月期から3期連続最終赤字となっていた。
■ところで、北栄への投融資について、代永としては回収可能性を諦めていないが、周囲は「ブローカーに騙されている」と認識しているようだ。その他、イメージ情報が手を出した新規事業の類を調べていくと、往々にして危ない事案の関係者が浮上してくる。
■例えば12年9月に連結子会社化した㈱インスパイア(現・アンダース)という企業がある。オーナー社長の安藤敬太郎は、14年8月にジャスダック上場廃止となったインスパイアーを巡る増資資金流出問題で、不正に利用された数々の法人の取締役として登場している。インスパイアは取得後、赤字を垂れ流しており、イメージ情報は15年12月にインスパイア株を安藤敬太郎に取得価額の5分の1で売戻し連結除外した。なお、安藤は東証一部上場昭文社の社外取締役も務めていたが、昨年12月に一身上の都合で辞任している。
■昨年10月に出資したエクストップエスオーも、上場廃止となった総和地所、グローバルアジアホールディングス、サハダイヤモンド等に係りを持ったブローカーの案件である。このブローカーは今、イメージ情報にて「新規事業開発室」に所属しており、直属の担当役員は17年に就任した長峰貴博と思われる。長峰はその経歴からひた隠してはいるが、13年に破綻した㈱アルフレッドコアの社長を務めるなどしており、当時から件のブローカーと公私ともに付き合いがあったとのことである。
■イメージ情報の内情に詳しい関係者は、「こうした問題案件はほとんど代永社長の腹一つで決まっている。もう70歳を超えたお爺さんだから、話を持ってくる歳の離れたブローカーがかわいいのだろう。もっとも、お金を払っているのはお爺さん個人ではなく上場会社なのだが」と指摘する。当サイトは北栄への貸付金の返済時期や長峰の経歴等について質問書を送付したが、期日までに回答はなかった。
(文中敬称略)

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