【続報】東証一部「東レ」不正会計疑惑、架空売上の相手方幹部が「炭素繊維製造装置密輸事件」に関与していた


■2月28日付で報じた、東証一部東レ株式会社(社長・日覺昭廣)の水処理システム事業部で発覚した架空売上計上などの不正会計疑惑。その取材の過程で、架空売上の相手方であるオリエントコミュニケーション株式会社(社長・小黒康夫、以下オリエント社)に、17年3月に炭素繊維製造機密輸事件で逮捕された人物が関与していたことが分かった。
■関係者によると、東レとの水処理装置を巡る取引には、オリエント社で「水処理システム事業部 部長」の肩書を持つT(イニシャル)という人物が立ち会っていた。「T氏は一連の取引で、11月に解雇された東レの事業部長と共に必要書類を整えるなど、終始東レ側に立って行動していた」(関係者)という。オリエント社においては、小黒が資金調達に動き、Tが東レサイドとの調整役、という役割分担だったと思われる。
■Tは17年3月に広島・愛知・石川の3県合同捜査本部に外為法違反で逮捕されていた。この事件を報じた記事によると、13年5月頃、Tは他の会社役員2名と共謀して、炭素繊維製造に必要な不融化炉を経済産業省の許可なく中国に輸出。捜査本部の調べによると、Tは11年10月に設備全体の売買契約を3億6000万円で結んでおり、逮捕容疑の製品はその一部。炭素繊維は軍事転用される恐れがあり、不融化炉はウラン濃縮に用いる高性能遠心分離機の部品など大量破壊兵器に使用される懸念があることから、輸出が制限されている。なおTはその後、4月に不起訴となった。
■前掲の当サイト記事の通り、東レがオリエント社の水処理装置取引の始期は、Tの逮捕から間もない17年6月頃である。オリエント社の債務保証や製品買戻を定めた「業務協力協定」を締結したのは11月に解雇された事業部長の前任者である。東レはオリエント社にTが関与しているのを知っていて、取引を開始していたのではないか。
■炭素繊維は東レの主力商品の一つであり、東レは「安全保障貿易管理の徹底」を掲げてリスク管理に当たっているという。しかし、炭素繊維製造機器密輸に関与した恐れのある人物が関与する企業と、コンプライアンス違反の疑義がある取引を行っている時点で、東レのガバナンスに相当な欠陥があることは明白である。(文中敬称略、つづく)

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