野村證券名古屋支店、主幹事案件「オールハーツ・カンパニー」を逃す 上場目前で日系PEファンド「ユニゾン・キャピタル」が買収


◾️ねこねこ食パン表参道店
◾️ねこねこ食パン表参道店

■野村證券の名古屋コーポレート・ファイナンス部が上場準備を進めていたオールハーツ・カンパニー(愛知県名古屋市中区)の創業者兼社長が、上場を目前に控えた昨年12月、持株の全てを日系PEファンド「ユニゾン・キャピタル」に譲渡していたことが分かった。関係者によると、ユニゾンへの身売りで上場計画も白紙となったとのことで、野村證券は梯子を外される結果となったという。
■オールハーツ・カンパニーは『HEART BREAD ANTIQUE』『ねこねこ食パン』などを販売。動物型のパンがかわいらしいと、コロナ禍でも人気は衰えていないようで、20年7月期の売上高は117億円、前年同期は112億円と堅調のようだ。
■関係者によると、オールハーツ・カンパニーは野村證券を主幹事に上場する計画を進めていた。同社は15年頃から「20年頃の新規上場」を内外で述べており、その頃から野村證券と折衝を重ねていたと思われる。昨年末には東証の経営陣との面談を控え、上場準備は大詰めを迎えていたという。
■ところが、東証との面談直前に、オールハーツ・カンパニー側が「ファンドに全株を売却するので、上場を白紙に戻す」と野村證券に“事後報告”したという。株式譲渡の理由は「上場のプレッシャーに創業者が耐えられなかった」(関係者)とのことだが、野村證券と創業者に生じた溝に、ユニゾン・キャピタルが食い込んだ格好となったと思われる。
■野村證券は当サイトの取材に対して「コメントを控えさせていただきます」と回答。オールハーツ・カンパニーは今月13日に「担当者から折り返す」とのことだったが、いまだ返答はない。ユニゾン・キャピタルを巡っては当サイトはかつて同ファンドが買収した調剤薬局「新成堂」創業者との紛争を報じており、こちらも進捗があれば続報する。

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