OUTSIDERS注意喚起銘柄、最近の動向(23)ユーグレナ、アンジェス、ピクセルカンパニーズ


■ユーグレナ(東証プライム2931)
2022年3月28日付:有価証券報告書-第17期(令和2年10月1日-令和3年12月31日)

昨年5月に青汁など健康食品大手のキューサイを合計約120億円で買収。キューサイの時価純資産は約5億円であり、買収の結果、のれんが116億円増加。さらに、買収時は財務サマリーしか開示されていなかったが、キューサイの総資産の半分に相当する174億円は顧客関連資産及び商標権であり、この結果、キューサイ買収により増加した無形資産は合計約290億円。これについては、減損の兆候ありと判断されたものの、割引前将来キャッシュフローの総額が帳簿価格を上回っているとして、減損は認識されなかったようだ。この巨額無形資産の評価については、「監査上の主要な検討事項」(KAM)に該当し、会計監査人の監査法人トーマツにより、様々な検討がなされた模様。

■アンジェス(東証グロース4563)
2022年3月31日付:有価証券報告書-第23期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)

アンジェスがコロナ相場で調達した資金で巨額買収した、米EmendoBio社ののれん約220億円の評価がKAMに該当し、会計監査人の監査法人トーマツは事業計画と実績を比較するなどしたようだ。この点、買収時の事業計画では2021年12月期からEmendo社がライセンス収入を得るとされているが、2021年12月期有報を見る限り、Emendo社が何らかの売上を実現した形跡が見られない。既に当初計画との差異が出ているように思われる。

■ピクセルカンパニーズ(東証スタンダード2743)
2022年3月31日付:有価証券報告書-第36期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)

当サイトが資金還流を指摘している宮古島リゾート計画などの前渡金がKAMに該当し、会計監査人の監査法人アリアが訴訟資料等を閲覧し、「期首残高及び当連結会計年度の損失計上処理の妥当性及び取引の合理性につき慎重に検討を行った」と記載されている。訴訟資料を閲覧したのであれば、前渡金が社長の吉田弘明に還流していることは確認しているはずだが、投資家に事実経過を開示しないままでよいのだろうか。

(文中敬称略)

2022年3月22日付:OUTSIDERS注意喚起銘柄、最近の動向(22)イメージ情報開発、太洋物産、光陽社

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