■ユーグレナ(東証プライム2931)
2022年3月28日付:有価証券報告書-第17期(令和2年10月1日-令和3年12月31日)
昨年5月に青汁など健康食品大手のキューサイを合計約120億円で買収。キューサイの時価純資産は約5億円であり、買収の結果、のれんが116億円増加。さらに、買収時は財務サマリーしか開示されていなかったが、キューサイの総資産の半分に相当する174億円は顧客関連資産及び商標権であり、この結果、キューサイ買収により増加した無形資産は合計約290億円。これについては、減損の兆候ありと判断されたものの、割引前将来キャッシュフローの総額が帳簿価格を上回っているとして、減損は認識されなかったようだ。この巨額無形資産の評価については、「監査上の主要な検討事項」(KAM)に該当し、会計監査人の監査法人トーマツにより、様々な検討がなされた模様。
- 2019年12月25日付:【記事紹介】東証一部ユーグレナ、『ミドリムシ燃料』の蜃気楼『ZAITEN』2020年2月号
- 2018年1月22日付レポート:【ミニ情報】東証一部ユーグレナ、バイオジェット燃料製造技術のASTM規格認証未だ取得できず
- 2016年12月26日付レポート:東証一部・ユーグレナ、健康食品事業の収益力低下 「バイオジェット燃料」製造設備の仕様変更に残る「謎」
- 2016年8月18日付レポート:アベノミクス象徴銘柄「ユーグレナ」、度重なる設備投資計画の延期 東京大学との「微細藻類の資源化」に関する共同研究は6月末で終了
- 2015年2月10日付:東京アウトローズ「【沖縄現地取材】 アベノミクス象徴銘柄「ユーグレナ」、ミドリムシ大量培養は本当に独自技術なのか、巨額設備投資計画の遅延判明、増資資金も不透明な債券投資に」
■アンジェス(東証グロース4563)
2022年3月31日付:有価証券報告書-第23期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)
アンジェスがコロナ相場で調達した資金で巨額買収した、米EmendoBio社ののれん約220億円の評価がKAMに該当し、会計監査人の監査法人トーマツは事業計画と実績を比較するなどしたようだ。この点、買収時の事業計画では2021年12月期からEmendo社がライセンス収入を得るとされているが、2021年12月期有報を見る限り、Emendo社が何らかの売上を実現した形跡が見られない。既に当初計画との差異が出ているように思われる。
■ピクセルカンパニーズ(東証スタンダード2743)
2022年3月31日付:有価証券報告書-第36期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)
当サイトが資金還流を指摘している宮古島リゾート計画などの前渡金がKAMに該当し、会計監査人の監査法人アリアが訴訟資料等を閲覧し、「期首残高及び当連結会計年度の損失計上処理の妥当性及び取引の合理性につき慎重に検討を行った」と記載されている。訴訟資料を閲覧したのであれば、前渡金が社長の吉田弘明に還流していることは確認しているはずだが、投資家に事実経過を開示しないままでよいのだろうか。
- 2022年1月4日付レポート:【続報】ジャスダック上場ピクセルカンパニーズ「宮古島リゾート計画」驚愕の裏側 貸倒れた前渡金の大半は社長の借金返済に充当
- 2021年11月17日付レポート:ジャスダック上場ピクセルカンパニーズ「宮古島リゾート計画」驚愕の裏側 貸倒れた前渡金が社長と大株主に還流
- 2017年6月15日付レポート:東京・渋谷の大型クラブ「TK SHIBUYA」巡る暗闘が表面化 詐欺破産で運営会社に刑事告訴 ピクセルカンパニーズ前社長も登場
- 2017年3月7日付レポート:ジャスダック上場ピクセルカンパニーズ、「社内調査報告書」に疑義 不都合な事実を黙殺した「会社の言い分」そのもの
- 2017年1月11日付レポート:ジャスダック上場ピクセルカンパニーズ、架空売上計上か 販売した「太陽光発電施設」は未だに更地
(文中敬称略)