■野村証券東京支店(千代田区丸の内1-8-2)の営業マンが、IPO株購入などの名目で、複数の顧客から金銭を詐取していたことが分かった。今年9月28日頃、顧客からの問い合わせで発覚し、野村証券東京支店及び本社が関係者のヒアリングなどを進めている。この営業マンは数年間にわたり同様の詐欺行為を複数の顧客に対して繰り返しており、被害総額は数億円に膨れ上がるとみられる。
■関係者によると、問題の営業マンは野村証券で10年以上勤務するベテラン。IPO株購入名目での詐取以外に、個人顧客に対して自分の携帯電話での通話やLINEなどで売買の注文を受けていたが、実際には取引していないものもあり、架空の取引履歴を報告していたことも分かった。
■野村証券は社内ルールで、営業マン個人の携帯電話で売買注文を受けることを禁じている。しかし、問題の営業マンが社内ルールに違反して受けた注文の中には、取引が実現しているものもあり、東京支店、ひいては野村証券全体の杜撰な社内管理体制が問題の一因となっている。野村証券の内情を知る者は、「東京支店は野村証券の支店の中でも、フルコミッション(完全歩合制)に近い給与形態の営業マンが多く、トラブルが起きる土壌はあった」と話す。
■野村証券は当サイトの取材に対して本日、「警察に相談しておりますので、コメントを差し控えさせていただきます」と回答。今後、被害にあった顧客への補償や、詐欺事件としての捜査当局の対応に注目だ。(続く)
(文中敬称略)
2016年6月1日付レポート「野村証券が上場ゴール「Gumi」担当者を左遷 役員コース「京都支店長」から「お客様相談室長」に(一部訂正)」
なんの驚きもない