【記事紹介】伊藤忠商事CFO鉢村剛が空売り屋に啖呵「株主として会社に乗り込んで質問すればいい」 月刊『企業会計』12月号インタビューで


『企業会計』12月号■会計専門誌『企業会計』(中央経済社)12月号の特集「徹底解剖CFO『F』から始まる経営革命!」に、伊藤忠商事CFO・鉢村剛のインタビューが掲載された。鉢村は誌面で、今年7月に伊藤忠を攻撃した米系空売りファンド、GLAUCUS RESEARCH GROUP(グラウカス)への批判を展開した。
■詳しい内容は同誌でご覧いただきたいが、鉢村は〈もちろん,空売りが悪いとは言いません〉としながらも、〈<空売りポジションを先に作っていた本人が,市場に悪い情報を流して株価を下げて利益を得る>のは、普通は許されないことではないか〉と不快感を述べ、〈決算に疑問があるなら,直接株主として会社に乗り込んで質問するなり,IRミーティングを求めるなり,それでも不正があるとまでいえるなら裁判で争うなりすればよい〉と啖呵を切った。
■鉢村はこれまで、グラウカスのレポート発表直後から新聞紙上で「同じ土俵で話をすると、グラウカスのネームバリューを上げることにつながる」、最近では「(レポートは)ただの邪論」と吐き捨て、空売り屋を蛇蝎のごとく嫌悪してきた。10月下旬頃から株価が回復してきたことも追い風となり、上記のような“闘争宣言”に至ったのであろう。
■だが、グラウカスが指摘した3つの案件について伊藤忠が提示した反論の根拠を見ると、コロンビア炭鉱事業については「ジョイントベンチャー契約の見直し」、中国のCITIC社については「戦略的な業務・資本提携に関する契約の締結」、頂新については「株主間協定書の改訂」であり、いずれも形式的なものだ。指摘された事実関係を否定するものではない。
■炭鉱事業の案件について言えば、伊藤忠は27年3月期第3四半期説明会にて、26年10月に合弁契約を変更し、パートナーに優先株が発行され希薄化後の持分が20%を切る、としていたのにもかかわらず実際には履行されないまま、期末の有報では区分変更の理由が〈Drummond International, LLCの20%の持分を保有しておりますが、当該子会社は同社の予算及び設備投資等への重要な決議事項に対する承認権を有しておらず、同社の営業及び財務方針に重要な影響力を行使することができない〉といつの間にか変貌していた。この点についての具体的な反論はこれまでのところ伊藤忠から無い。
■吐いた唾は飲めない、という諺がある。株価が回復したとはいえ、伊藤忠の説明義務は残っている。
(文中敬称略)

本年7月29日付:【コラム】日本の株式市場で「空売り屋」の活動が活発化

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