■東証一部DLEが本日17時、野村証券を引受先とする行使価格修正条項付新株予約権(MSワラント)の発行による資金調達実施を開示した。調達額は約16億円で、資金使途は①IP開発関連投資、②M&A、資本業務提携投資、③借入金返済、としている。希薄化率は15%で、行使価額は前日終値の91%、下限は448円。株価への影響は必至の情勢だ。
■11月9日に開示された今期第1四半期決算を見ると、連結の仕入債務が前期末の178百万円から869百万円(回転期間は1.03月から2.68月)と増加しており、取引先への支払いが著しく長期化しているものと推察される。今年の秋頃から10月下旬にかけて、金融機関などに金策に走っていた、という情報もあり、それだけ資金繰りは厳しかったのだろう。
■DLEを巡っては、講談社のニュースサイト『現代ビジネス』が財務の怪しさを指摘したほか、当サイトでは東京ガールズコレクション(TGC)買収の過程における不透明感や、中国事業における潜在的なリスクについて、2度レポートしてきた。TGCについては去る9月27日、子会社の㈱TOKYO GIRLS COLLECTIONを通じて8月に買収した運営会社の㈱Wmedia(旧F1メディア)株式取得の相手方である村上範義が、㈱TOKYO GIRLS COLLECTION株式の一部(26%)を取得した。理由は〈TGCブランドの価値最大化を図る〉と記されているが、およそ合理性があるとは思えない。
(文中敬称略)
2016年9月8日付レポート:DLEの「東京ガールズコレクション」中国事業に潜在するリスク アンダーゼットグループが別の「TGC」ライセンスを保有
2016年8月16日付レポート:『現代ビジネス』が財務状況に指摘の東証一部DLE(3686)、「東京ガールズコレクション」への投資にも不透明感