みずほ銀行恵比寿支店が“冒険的融資” フィリピン・スクラップ銅「循環取引」に24億円、融資実行直後に頓挫


◾️みずほ銀行恵比寿支店
■みずほ銀行恵比寿支店

■みずほ銀行恵比寿支店が2013年8月、同支店取引企業が行っていたフィリピンのスクラップ銅の循環取引に24億円もの融資を実行したが、直後の同年10月末に循環取引が破綻していたことが分かった。当サイトの調べで、みずほ銀行が回収可能性に疑義のある取引に、過大かつ十分な担保を取らない杜撰融資を行っていた可能性が出てきた。
■問題の銅取引は恵比寿支店をメインバンクとする電子機器製造販売の㈱ミッキー・インダストリー(渋谷区東1、社長村井馨一)、健康食品会社の㈱GypsophiLA(渋谷区恵比寿4、社長寺島清太)在比関連会社SORRISO PHILIPINES,INC(以下ソリッソ)、そして福岡県に所在するティーケージーホールディング㈱(以下TKG、社長高橋浩一)の3社で行われていたもの。形式上、ミッキー・インダストリーがソリッソから仕入れた比のスクラップ銅をTKGに販売するが、他方でソリッソはTKGから銅の仕入れをミッキー・インダストリーへの販売契約とほぼ同時に行っており、実質的な資金循環取引である。
2013年8月ー10月 比におけるスクラップ銅循環取引■3社の銅循環取引が始まった13年4月頃は2億円程度の取引であったが、同年8月以降は1回の取引規模が10億円超に急拡大する。具体的には、ミッキー・インダストリーは8月12日、TKGに対して銅2000トンを15,600千$で販売する契約を締結し、同月14日、銅の仕入れ代金12,400千$をソリッソに送金。9月10日、TKGと銅2000トン・代金15,600千$の売買契約を締結、同日ソリッソに仕入れ代金12,600千$を送金した。10月21日、銅800トンをTKGに6,240千$で販売する契約を締結し、10月5日にソリッソに5,040千$を送金した。TKGの代金決済日は同年10月末と設定されていた。
■上記3件の取引でミッキー・インダストリーはソリッソから合計4800トンの銅を30,400千$で仕入、TKGに37,440千$で販売する形となったが、10月末、TKGが代金を決済せず循環取引は破綻した。TKGに対し30億円超の売掛債権を有する立場のミッキー・インダストリーは、寺島と高橋それぞれとの間で30億円の公正証書を作成したが、GypsophiLAは後に「脅されて公正証書を造らされた」として訴訟を提起している。
■一連の循環取引でミッキー・インダストリーは、ソリッソへの仕入れ代金約30億円を先行して支払う必要があった。この資金を工面したのがみずほ銀行恵比寿支店である。同行は13年8月、ミッキー・インダストリーとの間で10月末を期限とする極度額24億円の特別当座貸越契約を締結した。循環取引のスタートから決済日までの期間と符合しており、この契約が銅取引を目的としたものであることは間違いない。
■ところで、銅の売却先であるTKGは11年6月、GypsophiLAから栃木県芳賀郡にある合計約20,000㎡の土地・建物を取得している。この土地が12年4月、栃木県宇都宮県税事務所に差し押さえられた。これはTKGが税金の支払いにさえ欠く企業であり、13年8月時点で数十億円もの売掛金を決裁しうる資力を持ち合わせていなかったことを示している。同社がエンドとなる循環取引はかなり危険だ。
■仮に、借主であるミッキー・インダストリーが巨額融資に見合う返済能力を有していたならば問題ないかもしれない。しかし、信用調査会社の情報によると、同社の業績は11年9月期売上高903百万円、利益38百万円、12年9月期売上高796百万円、利益6.4百万円である。08年時点の総資産は1,623百万円、純資産1,093百万円であった。一般的に、24億円もの融資に見合う企業規模ではない。
■みずほ銀行の対応も謎が多い。TKGの高橋は一連の訴訟の中で、循環取引破綻後に〈私は、村井社長のみずほ銀行に対する借入24億円について連帯保証人にならざるを得ず、また、TKGの所有不動産には、すべて抵当権を設定させられました〉(陳述書より)と述べている。TKGが保有する前出・栃木県の土地の登記簿を見ると、確かに13年12月に根抵当権が設定されているが、極度額は「2億円」となっている。みずほ銀行は15年1月にこの土地に競売を申立てている。融資の大部分は未だ焦げ付いている可能性が高い。
■みずほ銀行が当初から回収可能性の疑義のあるこの銅取引に、十分な担保を徴することなく無謀な融資を実行した挙句、回収不能が明らかとなって後付的に根抵当権を設定したと思われる。
(文中敬称略)

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