【ミニ情報】東証一部ネクシィーズ社長、『週刊文春』に実質敗訴 謝罪や賠償なく訴訟取り下げ


■東証一部ネクシィーズグループ社長・近藤太香巳が元愛人に暴行を加えた等と報じた『週刊文春』2015年12月24日号の記事を巡り、同社及び近藤が、発行元の文藝春秋や元愛人に対し約2億9000万円の損害賠償を求めていた民事訴訟を今年3月末、相次いで取り下げていたことが分かった。
■ネクシィーズ社は『文春』記事が掲載された当初、〈当該記事は匿名者による虚偽の証言に基づき掲載されたものであり、その内容は事実無根〉〈強要目的、嫌がらせ目的等によりなされた事実無根の内容を、十分な取材もせず一方的に掲載した〉等と文藝春秋を非難。〈裁判の場において主張を明らかにし、「株式会社文藝春秋」及び「週刊文春編集部」の責任を徹底的に追及していく〉などとして損害賠償や謝罪広告を求め提訴、記者を刑事告訴するなどしていた。
■ここにきて取り下げに至ったのは双方が和解したからである。3月29日付和解調書では、ネクシィーズ社が文藝春秋や元愛人に対して提起した訴訟を取り下げるのに対し、文藝春秋は〈原告らとの間で紛議が生じたことについて遺憾の意を表明する〉との一文を調書に残すことなどが合意されている。ネクシィーズ社が公然と要求していた謝罪や賠償などはなく、実質的な敗訴と言わざるを得ない。
■また、元愛人は記事に先立つ15年8月に傷害容疑で近藤を刑事告訴し、警視庁原宿署が昨年10月に近藤を書類送検していた。ネクシィーズ社は今年4月19日、3月30日に近藤が不起訴処分となったことをプレスリリースしている。これだけを読むと、当局による客観的な捜査の結果、近藤が“シロ”だと判断されたように見える。だが実は、和解条項に元愛人による刑事告訴取り下げも含まれていた。訴訟提起や刑事告訴は威勢よく開示していたのだから、訴訟取り下げも開示するのが筋であろう。ここにも、都合の悪い事実をひた隠す同社の体質が表れている。
(文中敬称略)

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