【続報】ジャスダック上場Nuts偽計事件、「監査法人元和」に経営陣がカジノ接待、独立性に疑義か


■証券取引等監視委員会が今年2月に捜査着手したジャスダック上場Nuts(社長・中村健司)の偽計容疑に関連し、同社の会計監査人を今年4月まで務めていた監査法人元和の代表が、Nuts経営陣から米・ラスベガスでのカジノ旅行などの接待を受けていたことが関係者への取材で分かった。一般的に、監査法人が被監査会社から接待を受けることは、独立性の観点から望ましくない。監視委は元和を調査し、代表・星山和彦公認会計士にも事情を聴いていることから、Nuts偽計事件に関連して元和の監査の在り方も問い直されていると思われる。
■関係者によると17年末頃、Nutsとコロンビア大学が医療施設開所に関するコンサルティング契約を締結するため、経営陣が渡米した際、星山会計士も同行した。Nutsがチャーターしたプライベートジェットに同乗し、ラスベガスのカジノでの遊興などの接待を受けていたという。星山会計士は17年末にNutsの社債発行・エクイティファイナンスを引き受けたEVO FUNDを紹介するなど、同社関係者との付き合いを深めていた。
■そもそも元和は、前社長・森田浩章がNutsに入社したタイミング会計監査人となった。星山会計士は就任当初から監査報告書に業務執行社員として署名していたが、「EVO FUNDを紹介したことや、ラスベガス旅行に同行したことで、独立性に問題があるとしてサイナー(業務執行社員)を降りざるをえなくなった」(関係者)ため、18年3月期からは元和の別の会計士が監査報告書に署名している。
■Nutsを巡っては、監視委による強制調査の直接の容疑となった19年2月の業績予想を巡る虚偽開示以外にも、今年4月に発覚した現金過不足や、当サイトが指摘したような元株主との間で疑義のある取引が過年度にあり、監視委や第三者委員会が今後、Nuts経営陣と深い関係を有していた元和及び星山会計士の監査の在り方を問題視する可能性がある。
■元和は、09年に公認会計士・監査審査会が業務停止処分を下した監査法人ウィングパートナーズのクライアントを引き継ぐ形で、緊急避難所的に2009年7月に設立された。だが当サイトには、元和の設立の経緯に公認会計士法上の監査法人の要件に疑義があったとの情報提供があるため、詳細が分かり次第、続報する。
(文中敬称略)

2020年4月27日付レポート:【続報】証券取引等監視委が「偽計」容疑で強制調査のハコ企業Nuts、各方面に波紋

2019年10月23日付レポート:パチンコ版権事業から「医療ビジネス」に乗り出したジャスダックのハコ企業Nuts、“架空増資”紛いの資金還流

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