赤字子会社を「ネクスグループ」に売却したジャスダック上場「ヴィレッジヴァンガード」、実質4期連続赤字の可能性


■投資情報のフィスコ子会社で、ジャスダック上場のネクスグループ(以下ネクス)が6月30日、「遊べる本屋」として若者の間で人気のヴィレッジヴァンガード(JS2769、VV社)の子会社「チチカカ」を買収し、新たにアパレル小売事業を開始すると発表した。ネクスについては当サイトで過去2回レポートした通り、本業のデバイス事業とは関係ない事業ばかりカネを出しているので「いつものこと」だが、VV社の経営にはいくつかの疑問が残る。
■VV社側が出した6月30日付IRによると、チチカカは固定資産減損1,760百万、棚卸資産評価損1,428百万などで合計3,291百万の損失を計上、2,207百万の債務超過に陥る。VV社は8月1日までに、チチカカへの貸付金2,000百万を8百万で債権譲渡することに加え、チチカカの2,376百万分の増資を引き受け、それを「1990円」でネクス及びシークエッジに売却するという。チチカカはこれでほぼ債務超過を脱することができるが、VV社にとっては40億円超の損失が出るだけだ。
■このようなスキームに至った経緯について、VV社の開示では〈当社とチチカカは出店しているデベロッパーや取引銀行が重なっており、当社の経営に大きな影響を及ぼすことがあることが考えられ〉たためと説明している。VV社の関係会社への貸付金は27年5月期で約8億円であるから、新たに貸付により資金注入を行うということになる。また、直近の現金残高(3,782百万)では、予定している増資引き受けのために新たな資金調達が必要になってくるだろう。なぜそこまで、ネクスに便宜を図らなければならないのか。
■VV社は同じIRで、今期の予想を△4,388百万と下方修正した。過去10年間で見ると、巨額赤字を計上したのは25年5月期△3,833百万、26年5月期△1,043百万に次いで3度目となり、予想通りの決算であればこの10年累計でわずか4億円程度しか稼ぎ出せていないことになる。
■27年5月期は69百万とわずかな黒字だった。だが、この期の在庫回転期間は巨額損失を計上する前の24年5月期の水準まで上昇しており、チチカカの商品が26年頃から頻繁に半額セールなどで叩き売られはじめていたという定性情報もある。ネクス側の開示によると、VV社がチチカカ売却の為にシークエッジと接触したのは昨年からだというが、実質的に4期連続赤字であった可能性も否定できない。VV社は「開示している以上のことはお答えできない」とのことだった。
(文中敬称略)
※VV社の在庫回転期間
23年5月期5.11月、24年5月期5.22月、25年5月期4.58月、26年5月期5.13月、27年5月期1Q5.09月、2Q5.64月、3Q5.22月、27年5月期5.19月、28年1Q5.63月、28年2Q6.00月、3Q5.35月

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