【ミニ情報】東京地検特捜部が捜査着手「テクノシステム」融資詐欺事件、「政策金融公庫」からも不可解融資


■東京地検特捜部が4月27日に融資詐欺容疑で強制捜査に入ったとして話題の太陽光関連「テクノシステム」(横浜市、社長・生田尚之)。SBIソーシャルレンディングから約150億円を調達し、全国の地銀、信金、信組などからも百数十億円の融資を受けている同社は、巨額倒産事件に発展するとみられる。社長の生田の交友関係は広く、小泉純一郎元総理とは昵懇で知られ、関係者の間では、特捜部は単なる融資詐欺事件では終わらせないとの見方が大勢となっている。
■報道によると、テクノシステムは昨年夏頃、静岡県内のバイオマス発電施設の設置に際して銀行融資を受けたが、融資の申請に虚偽の書類が使われた疑いがあるという。被害行は静岡県の富士宮信用金庫である可能性が高い。テクノシステムは20年3月末時点で約30の地銀や信金などの地方金融機関から合計82億円の融資を受けており、同年9月末の銀行借入は122億円と、約40億円増加している。融資残高を増やしたのは信金や信組などの地場金融であり、静岡県内では富士宮信金が融資残高を6億円増加させているためだ。
■テクノシステムを巡っては、SBIソーシャルレンディングとの巨額の取引が注目されているが、地方金融との取引が興味深い。取引銀行を見ると、大手都市銀行との取引はないが、近畿産業信用組合や大阪厚生信金、大東京信用組合などの地場金融と多額の取引を行っている。大手行とは信用力の問題で取引できなかったと思われる。また、数千万~数億円の比較的融資残高の少ない地方金融機関も20弱あり、この点は、2019年に金融ブローカー・黒木正博が逮捕される融資詐欺事件となったラポール事件と銀行の取引態様が似通っている。本店決裁を通すと与信に引っかかるため、支店決裁レベルの金額を引き出していたと思われる。
■ただ、テクノシステム取引行の中で異質なのが政策金融公庫の存在だ。公庫は20年3月で融資残高4億3千万円だったが、9月末には6億6千万円と、約2億3千万円の増額となっている。関係者によると、この融資には「コロナ関連貸付」が含まれているとのことだが、「テクノシステムはコロナ禍でも旺盛に資金調達しており、上場計画もあったことから、決算操作により成長トレンドを維持していたはず。相当な売上減を、詳しい証票書類を揃えて証明しなければ受けられない公庫の融資をなぜ簡単に受けられたのか」と訝しむ。
■政策金融公庫は「政治家の財布」のような側面があり、口利きが横行している。東京地検が過去に強制捜査に乗り出した「豊田建設事件」でも融資金を詐取されるなど、杜撰な融資実態がある。テクノシステムは2017年頃、城南信用金庫の元理事長である吉原毅に接触し、同信金横浜支店への口利きを依頼しており、口利きの「成功体験」を持つ生田が、公庫との取引に政治力を使ったとしてもおかしくない。
(文中敬称略)

2019年5月9日付:ハコ企業の末路(4) インスパイアー事件の黒幕の金融ブローカー、融資金詐取で逮捕 銀行の杜撰融資の実態、浮き彫りに

2017年12月4日付:【ミニ情報】「豊田建設事件」の裏側 政策金融公庫・商工中金が「融資詐欺」に遭っていた疑いが浮上

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