■複数の現役社員の内部告発により、バイオマス発電所の売電価格の不正操作が明らかになった東証1部エフオン(社長・島﨑知格)は8月20日、報道後初めてとなる決算説明会を開催した。出席したアナリストから不正問題に関する質問が度々出たが、島﨑は「20年に調査した結果、不正の事実はなかった」で押し通したようである。23日に新たに公表された適時開示では、再調査も行わないと述べている。だが既に述べたように、エフオン白河のバイオマス燃料の含水率の異常値は、不正が行われた以外に説明がつかない。
■内部告発によると、エフオン白河では売電単価の計算根拠となる燃料のバイオマス比率を操作するために、単価の高い未利用材を乾かして含水率を下げ、単価の安い建築廃材などのリサイクル木材を湿らせて含水率を高めていた。例えば18年11月の未利用材の含水率を見ると、自社で検査した燃料サンプルの含水率平均値は46.68%なのに対し、外部検査機関に提出したサンプルの含水率は21.87%と大きく乖離している。リサイクル木材の含水率は、例えば18年2月は外部検査機関提出サンプルの含水率は45.61%と、未利用材に匹敵する高さなのに対し、自社検査サンプルの含水率は21.35%であった。
■こうした含水率の操作の結果、エフオン白河の売電単価は、自社検査サンプルから計算される売電単価を常に約1円/kWh程度上回るように推移している。その結果、不正に稼得されたと思しき売電収入は、データがある分だけで17年6月期107百万円、18年6月期114百万円、19年6月期125百万円、20年6月期70百万円と、合計416百万円に上る。
■エフオン白河の異常な含水率と同じ兆候を示している発電所は他にもある。大分県でエフオン日田が操業する「日田発電所」である。エフオン日田は、白河と同じ06年に運転開始し、発電出力も12メガワットと同じである。過年度の売上は白河とほぼ同額で推移している。白河の売上が売電単価の不正操作により水増しされたものである以上、日田の売上にも不正による水増しがなされている可能性がある。
■当サイトはエフオン日田が納入トラックから採取した燃料の含水率データと、外部検査機関に提出した燃料サンプルの含水率データを入手した。それによると、自社検査サンプルの未利用材の含水率は40%台で推移しているのに、外部検査機関提出サンプルは30%前後で推移している。リサイクル木材の含水率は自社検査サンプルが20%台に対し、外部検査機関提出サンプルは30~40%台と高い。未利用材よりもリサイクル木材の含水率が高くなる〝逆転現象〟を呈している月もあるが、年平均は33%前後と同一である。
■この結果、日田発電所では、売電単価は自社検査サンプルから計算されるものを約1~2円/kWh程度上回っており、20年6月期の売電収入の差は132百万円に上る。エフオン白河において水増しされたと思しき売電収入と合わせると、少なくとも20年6月期の売上のうち約202百万円は、売電価格操作により不正に稼得された売電収入と考えられる。エフオンの20年6月期の連結税引前利益は24億円であり、一般的な重要性基準の一つ「純利益の5%」を上回っている。
■「含水率操作の不正はすべての発電所で行われていてもおかしくありません。というのも、エフオンの経営陣は、燃料の購入比率がそのままバイオマス比率になるという前提に立って、その年の売電単価などの予算を組んでいます。通常、未利用材は含水率が高く、リサイクル木材は含水率が低いため、売電単価は購入比率で計算したものより低くなってしまいます。なので予算を達成するためには、日田発電所のように各燃料の含水率が同じになるようサンプルに手を加える以外に方法がありません」(現役社員)
■エフオンの現役社員が「不正に手を染めていた」と自ら告白しているだけでなく、複数の社員による証言もある。その証言を裏付けるように、燃料の含水率データは明らかに異常値を示している。いわば定性的、定量的に見て不正が行われた可能性が極めて高い。にも関わらず「不正無し」と結論した〝調査委員会〟の信頼性は極めて疑わしい。実際、調査委が設置される前日に、社長が幹部の集まりで「口封じ工作」をしていたことが分かった(つづく)。
(文中敬称略)
2021年8月20日付レポート:【続報 第三弾】「マジックハンドを使え」--バイオマス発電の東証1部エフオン、現役社員が暴露する売電価格「不正操作」の実態
2021年8月16日付レポート:【続報】売電価格「不正操作」で内部告発の東証1部エフオン、反論リリースを公表
2021年8月13日付レポート:バイオマス発電所の東証1部エフオン、売電価格「不正操作」を複数の社員が内部告発 NHK『クローズアップ現代』が報道
お願いだから、含水率を操作したら、どうして、売電価格が操作できるのか?どうして、利益が増えるのか?教えてください。この記事みても、ネットで調べても、本を見てもわからんよ。個人的には、「アウトサイダーズさん、証拠つかんでないな。」という、現時点での感想
(僕は、あくまでも株の保有者であって、エフオンの回し者じゃないですよ)
バイオマス発電は、木質チップを燃やして、その熱を使い循環させている水を水蒸気にして、その圧力でタービンを回して発電します。その熱量のことを低位発熱量といいます。
木質チップには木質部分と水分が含まれています。水は燃えませんから、低位発熱量のカロリーは、木質部分がどれくらいかで違ってきます。
仮にそれぞれ同じ1tの重量のチップがあったとして、Aが含水率20%、Bが含水率50%とします。すると、Aの木質部分の重量(絶乾重量)は0.8t、Bの木質部分の重量は0.5tとなります。
わかりやすくするため、上記AとBのチップを1tずつ使ったとして、Aが13円/kWh(リサイクル材由来チップ)、Bが32円/kWh(未利用木材由来チップ)だった場合を考えてみます。
重量比率は全量2tに対しA1t、B1tなので、A50%、B50%となります。
売電単価を決めるためのバイオマス比率は、木質部分の比率からA0.8t、B0.5tとなるため、A61.5%、B38.5%となります。
もし売電単価が単純に重量比率で決められるのならば、平気売電単価は、13円×50%+32円×50%=22.5円/kWhとなります。
しかし、売電単価はバイオマス比率で決まるため、13円×61.5%+32円×38.5%≒20.3円/kWhとなります。
さて、チップ燃料受け入れの計量を行って、受け入れ重量が確定した後、乾いているリサイクル材由来チップを不正に湿らせ、湿っている未利用材由来チップを乾かし、含水率を操作するとどうなるでしょうか。
ちなみにリサイクル材は解体材が含まれているため含水率は低く(なぜなら長年木造建築物として使われていたので、木の細胞部分に含まれている水分が乾燥してなくなっているため。通常20%台)、未利用材由来は含水率が高いのです(伐採したばかりの原木をチップにしているため、木の細胞部分に多く水を含んでいる。通常は50%前後)。
重量比率は全量2tに対しA1t、B1t、売電単価を決めるためのバイオマス比率を不正操作し、A(リサイクル材)を湿らせ含水率20%⇒40%、B(未利用材)を天日干しで含水率50%⇒30%と変化させます。これは特に難しいことではありません。
するとバイオマス比率は、木質部分重量A0.8t、B0.5tより、A61.5%、B38.5%のバイオマス比率から、木質部分重量A0.6t、B0.7tより、A46.15%、B53.85%に変化します。
売電単価はバイオマス比率で決まるため、13円×46.15%+32円×53.85%≒23.2円/kWhとなります。
よって平均売電単価は、20.3円/kWhから23.2円/kWhに、3円/kWh増えることがわかります。
少し話が複雑ですが、小学6年生の算数で習った比が理解できれば、わかる話だと思うので、頑張ってみてください!
返信ありがとうございます。僕の言っているのは、小学生の算数の話でなくて、含水率の資料があって、どうして、木材の種類の在庫量、入荷見込みの資料がないのか?どこの数字をマジックハンドしたのか?含水率をいじくるだけで、どうして、例えば、建築廃材で作った電力を間伐材で作った電力と偽れるのか?マジックハンドするにも、元がいる。例えば、建築廃材の仕入れ場所はどこか?建築廃材をどうやって隠して入荷したのか?間伐材の証明は、どうやって偽造じたのか?決算書は、どうだまして作ったのか?疑問はいろいろ。
で、この記事での主張は、今の所、「エフオンは、含水率を偽造した。」というだけ。だから、例えば、本来は、1番目に、「エフオンは、建築廃材で作った電気を、間伐材で作った電気と偽りました。」・・・みたいな主張が、今の所無いんだよな。
含水率の話は、その手口の1つ目じゃん。4話まで終わって、まだ、含水率の話って、ちょっと不自然じゃないか?
これから、どんどん、明らかになるのかな?早くしろ!という事。
(僕は、ヤホーのエフオンの掲示板の所には、参戦してませんのでよろしく!)
>どうして、木材の種類の在庫量、入荷見込みの資料がないのか?
バイオマス比率計算書というものをバイオマス発電事業者は検査機関に月一回提出します。そこでそれぞれの区分(未利用木質チップ32円/kWh、一般木質チップ24円/kWh、リサイクル木質チップ13円/kWh)ごとの使用量、水分率、低位発熱量を記入して、計算式に従い、バイオマス比率を算出します。この記事の不正のからくりは、使用量、水分率、低位発熱量のうち、水分率を操作すると、売電単価が変わることを利用した内容なので、在庫量、入荷見込み量の資料がなくとも、水分率のデータのみで、不正操作の説明が成り立ちます。水分率を操作するとなぜ売電単価が変わるかは、算数の話で説明した通りです。
>どこの数字をマジックハンドしたのか?
算数の話の中で触れたここです。
「さて、チップ燃料受け入れの計量を行って、受け入れ重量が確定した後、乾いているリサイクル材由来チップを不正に湿らせ、湿っている未利用材由来チップを乾かし、含水率を操作するとどうなるでしょうか。」
>含水率をいじくるだけで、どうして、例えば、建築廃材で作った電力を間伐材で作った電力と偽れるのか?
建築廃材で作った電力を、間伐材で作った電力と偽る必要はありません。この記事の不正は、由来証明についての不正とは関係がありません。
>マジックハンドするにも、元がいる。例えば、建築廃材の仕入れ場所はどこか?建築廃材をどうやって隠して入荷したのか?間伐材の証明は、どうやって偽造じたのか?
よってここで示されている疑問は、今回の水分率不正に対する質問として成立していません。そのようなことをする必要は全く無く不正が可能です。恐らく由来証明偽装の話と水分率不正の話を混同されているのだと思います。
>決算書は、どうだまして作ったのか?
検査機関に送ったバイオマス比率と使用料から、毎月の売電価格が支払われるので、決算書は騙して作成する必要はありません。検査機関に送る手前の水分率操作による不正の告発記事だということを読み解いてみてください。
もう一度算数の話をぜひおさらいしてみてください。由来を偽装しなくとも、水分率の操作だけで、売電価格を不正操作できることを説明しています。
最後に、エフオンの今回の不正疑惑でバイオマス発電全体が疑いの目で見られていることに、同業者として大変迷惑しています。ぜひ、経産省なり公正な第三者委員会なりによって、疑惑がきちんと解明され、不正があったのかなかったのか、あったなら経営者はそれ相応の責任をとり、バイオマス発電に対する信頼を取り戻すことの働きかけを、関係団体には強く望みます。
すいません。返信見てませんでした。ツイッターで返信してくれた方ですかね?だとしたら、ありがとうございます。今回の疑惑、やっと、意味がわかりました。で、僕の結論は、エフオン擁護します。ま、反論はあるでしょうけど、やはり、検査で出した木の含水率と同じ含水率で絶対に燃やさないといけないのか?という考え。効率の話でいうと、間伐材は、乾かして燃やすのは当たり前。雨の日とか、あまり電気を作れない日は、発電単価の安い建築廃材を中心に燃やす。逆に言うと、間伐材の場合、乾かした木のサンプルを検査に出さないと、これまた不正じゃないか?で、サンプルでの含水率以上に高くなってしまった建築廃材を燃やすと、詐欺、不正なのか?と理論上なります。消費者は反論あるでしょうけど、経営的には正しいし、しょうがない。
エフオン社へ反論あるとしたら、部下に慕われていないと思われる社長、現実を見れない社員(僕は、不正を許せ!見て見ぬふりしろ!とは言ってない)は改善しろ!という一言ですね。
で、バイオマスがマネーゲーム熱から覚めて、よかったのかな?と、個人的には思います。
どうも、返信ありがとうございました。
エフオンは糞
糞は何度でもやらかす
オソロシクナッテキタ
アウトサイダーズさんは現役社員が言っているため黒、会社は監査役と社外弁護士による委員会調査で調べて白、これだと最後まで答えは出なさそうですね。お上には調査報告書を提出しているでしょうから白ということになり、このサイトで動くとは思えません。1番の被害者は真面目にバイオマス運営をやっている一般の方々です(エフオンさんがそこに入るかはわからないのですがとりあえず記事が正しいとした場合)。
9月28日にエフオンの定時株主総会があるので、そのあたりで第5弾を期待しています。