■当サイトは今月26日発売の月刊誌『ZAITEN』(財界展望新社)に、「ユーグレナ『ミドリムシ燃料』の蜃気楼」と題して、東証一部ユーグレナ(社長・出雲充)に関する記事を寄稿した。既知の通り、ユーグレナは2010年代の新興市場を代表する銘柄である。12年マザーズ上場、14年末に1部昇格、15年1月には経産省「日本ベンチャー大賞」で内閣総理大臣賞を受賞し、ピーク時の同年2月の時価総額は2000億円に達していた。
■筆者は2015年2月に『東京アウトローズ』でユーグレナの屋外大量培養施設に懐疑的なスタンスの記事を掲載し、その後も当サイトにおいて継続して同社事業に関する疑義を呈してきた。ZAITEN掲載記事はその総括である。詳細は同誌にゆずるが、屋外大量培養施設は5年経った今も曖昧な点が多い。前出の通りユーグレナは2010年代の新興市場の象徴的な銘柄であることから、これを総括することは、2010年代の株式市場を総括することに繋がっていると考えている。
(文中敬称略)
2018年1月22日付レポート:【ミニ情報】東証一部ユーグレナ、バイオジェット燃料製造技術のASTM規格認証未だ取得できず
2016年12月26日付レポート:東証一部・ユーグレナ、健康食品事業の収益力低下 「バイオジェット燃料」製造設備の仕様変更に残る「謎」
2016年8月18日付レポート:アベノミクス象徴銘柄「ユーグレナ」、度重なる設備投資計画の延期 東京大学との「微細藻類の資源化」に関する共同研究は6月末で終了
2015年2月10日付:東京アウトローズ「【沖縄現地取材】 アベノミクス象徴銘柄「ユーグレナ」、ミドリムシ大量培養は本当に独自技術なのか、巨額設備投資計画の遅延判明、増資資金も不透明な債券投資に」