【ミニ情報】SBIソーシャルレンディングの問題融資先「津山太陽光発電所」を巡る泥沼 見え隠れする「韓国金融筋」


■東京地検特捜部が今年4月に摘発した「テクノシステム事件」では、マスコミ各社既報の通り、SBIホールディングス傘下、SBIソーシャルレンディング(以下、SBISL)が巨額の融資金を貸し込んでいる実態があった。SBISLがソーシャルレンディングで集めた資金約400億円のうち、凡そ半分がテクノシステム向け融資であり、SBIはテクノシステム向け融資額とほぼ同額の180億円を損失計上した。
■だが、SBISLの問題融資先は、テクノシステムだけではないとする見方がある。「SBISLは融資案件の開拓能力が乏しく、親密先からの案件紹介に依存していた。自前でのデューデリジェンスをしていないわけで、テクノシステム以外の融資先も、ヤバい先はかなりある」(関係者)。実際、SBISLではテクノシステム事件後も融資先に懸念事項が発生しており、「不動産担保ローンのファンドの先も相当怪しい」(前出関係者)との声もある。
■そうしたSBISL融資先の一つで、岡山県・津山市の発電出力35メガワットの太陽光発電所計画も、関係者が訴訟合戦を展開するなどの問題案件である。事業の実施主体のホームランソーラーパーク合同会社は、地上げ屋として知られる株式会社ジーヴァエナジーのビークルで、2017年頃、津山案件を前の所有者から譲り受け、林地開発許可の取得に取り組んでいた。SBISLは18年9月に合同会社へ15億円の融資を実行。ローンファンドの運用期間は18か月とされていて、20年3月までにローンを償還しなければならなかった。
■だが、ジーヴァエナジーは19年頃から、合同会社の別の出資者と紛争状態に陥り、泥沼の訴訟合戦を展開。発電所開発に不可欠な調整池の土地などのいわゆる「種地」を、個人会社に名義変更するなどの防衛措置を執っていた。そして訴訟の最中、太陽光発電所のEPC(設計・調達・建設)業者のafterFITをこの案件に引き入れ、種地をafterFITに移転するなど、実質的な「イグジット」を果たした。
■SBISLのローンは当然、償還できずにいたが、津山案件を譲り受けたafterFITが今年6月、この債権を取得した。afterFITはこれにより、債権者として実施主体の合同会社を破産させることで、種地を持つ自社が実施主体になろうとしている。
■津山案件でSBISLから実質的に融資を受けていたジーヴァエナジーは、韓国の金融筋と関係が深い。関係者によると、150億円ともいわれる津山案件の総工費は当初、韓国の投資ファンドから資金調達する予定だったという。
■同社は三重県四日市市でも50メガワットもの規模の太陽光発電所を開発している。この案件は元々、カナダの再エネ事業会社のエトリオンに買収する予定だったものだ。しかし、エトリオンとも紛争となり、開発権はジーヴァエナジーに戻っている。この案件では、韓国系銀行の日本支店から巨額の資金調達を行っているが、「実態は韓国のファンドで募集した資金」(関係者)との指摘もある。

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