ジャスダック上場ピクセルカンパニーズ、「社内調査報告書」に疑義 不都合な事実を黙殺した「会社の言い分」そのもの


■ピクセルカンパニーズ社内調査報告書
■ピクセルカンパニーズ社内調査報告書

■ジャスダック上場ピクセルカンパニーズは、平成28年12月期中に行った太陽光発電施設「下田第1発電所」の取引を巡り、詐欺行為や架空売上計上を行った疑義について、昨年12月に社内調査委員会(委員長・豊島國史弁護士)を設置、本年1月末に調査報告書を開示した。この報告書の内容について今回、重要な事実誤認ないし虚偽が含まれていることが取材により分かった。
■この問題は、28年12月期当時子会社で筆頭株主であったルクソニア㈱が、昨年5月19日付で㈱FIELD・Xと締結した「太陽光発電事業に関する譲渡契約書」に基づき販売した太陽光発電所の売上債権を、5月末に金融屋・花岡香の㈲咲良コーポレーションへ譲渡したことが発端。その後、FIELD・Xから期日に咲良コーポレーションへ入金がされず現在係争中だ。当サイトは、販売したとされる太陽光発電施設が未だに更地であったことを明らかにした。問われているのは、ルクソニアがFIELD・Xに対して有する債権の内容だ。花岡サイドは債権が架空だとして、ピクセルカンパニーズが詐欺を行なったと主張している。
■社内調査報告書によると、平成27年10月、当時下田第1発電所の事業者であった㈱イノベック(報告書C社)が権利譲渡した相手方はFIELD・X(報告書B社)である。つまりルクソニアはFIELD・Xとの間で締結した「太陽光発電事業に関する譲渡契約書」の前提となる発電事業者としての地位を持っていなかったことになるのだが、社内調査委員会が出した“シナリオ”は次のようなものであった。
■〈当委員会においてP氏(筆者注、ルクソニア社長、松田健太郎)に対して実施したヒアリングによれば、原契約(筆者注、太陽光発電事業に関する譲渡契約書)においてLXN社とB社が合意した内容の概要は、「LXN社は、B社から本件工事を受注する」というもの〉。
■報告書に記載されている松田の認識によれば、〈原契約上は、LXN社がB社に対して、売電権利者としての地位を譲渡したことになっているが、そのような事実はない。この時点における下田第一発電所の発電事業者はB社であり(筆者注、中略)LXN社は、あくまで下田第一発電所の建設工事を完成させてB社に引き渡すという内容の本件工事をB社から受注したに過ぎない〉という。
■太陽光発電施設の売買による債権か、工事受注による債権か、二つのどちらかになるが、調査委員会が取った結論は後者だ。「太陽光発電事業に関する譲渡契約」は調査報告書にもある通り、どう読んでも太陽光発電事業者としての地位を譲渡する契約であるが、「工事を受注した」とすることで債権は架空でないと結論付けたのである。だが、当サイトの調べでは、実際に工事を発注していたのはルクソニアでなくFIELD・Xである可能性が高い。
■調査報告書は、ルクソニアが昨年6月、E社に対して発電所の工事を発注した、と書いているが、実はE社はFIRLD・Xとも同じ書式・内容の工事請負契約を結んでいるという。E社社長が当サイトに証言する。
■「確かにルクソニアから下田第一発電所の案件が持ち込まれたが、途中で先方から、契約の相手方をFIELD・Xに変更してもらえないか、と持ち掛けられるようになった。どのような意図があったかは不明だが、ルクソニアと弊社、FIELD・Xと弊社の二つの契約書を作り、工事前受金の入金はFIELD・Xの口座から振り込まれている。契約書の作成実務などの一切はルクソニアが行っていた事実はあるが、法人としてのルクソニアは、権利者になったことは一度もない」。当サイトで確認したところ、E社口座への入金は昨年7月1日、FIELD・Xにより行われている。
■つまり事実は、イノベックの権利譲渡の相手方はFIELD・Xであり、下田第一発電所の工事発注及び入金を行ったのはFIELD・Xである。FIELD・Xの操業はルクソニアが実質的に取り仕切っていたとはいえ、契約の当事者としては介在していない。この点において、ルクソニアがE社に工事発注を行った、とする社内調査報告書の事実関係は間違っている。では、ルクソニアが咲良コーポレーションに譲渡した、FIELD・Xに対して有する債権とは一体なんだったのか――という疑いが残る。
■さて重要な問題は、上記のような事案の核心に迫る事実関係をピクセルカンパニーズの社内調査委員会が見落とした(あるいは、故意に見なかったことにした)上で、結論を出していることである。上記のような事実関係は、E社に聞けばすぐわかることではないか。
■そもそも調査委員会の調査が些末なのである。例えば、FIELD・Xから工事受注を受けた、とする松田の供述については〈具体的に裏付ける根拠資料は特に提出されておらず確認できていないが、(筆者注、中略)P氏に虚偽の説明を行う動機は特段存しないものと解されること等からすれば、LXN社は、原契約に基づいて本件工事を完成させるべき責任をB社に対して負っていたものと思料される〉と記されている。書面はないけど、とりあえず言ってることを信じよう、という具合の調査が進められていたわけだ。
■聞き取り調査を行ったのも、ピクセルカンパニーズとルクソニアの役員だけだ。取引の相手方であるFIELD・XやE社、イノベックなどの関係者へは〈調査期間の制約〉から行われていない。いわば調査報告書というよりピクセルカンパニーズの「言い分」をまとめたものに近い。
■調査委員会の構成も、豊島國史弁護士以外はピクセルカンパニーズの利害関係者だ。豊島弁護士を除いた委員3人のうち、櫻井紀昌、中里猛志は社外監査役である。東京フィナンシャル・アドバイザーズの能勢元はM&Aやファイナンスなど様々な案件で同社から評価額の算定業務等を受託している。
■このように、ピクセルカンパニーズの社内調査報告書には不備が多く、第三者委員会で改めて調査を行うのが筋である。お手盛りの不正調査が罷り通るのであれば、この国の証券市場はより一層、信用できないものになるだろう。
(文中敬称略)

本年1月11日付レポート:ジャスダック上場ピクセルカンパニーズ、架空売上計上か 販売した「太陽光発電施設」は未だに更地

2016年12月12日付レポート:【ミニ情報】ジャスダック上場ピクセルカンパニーズ、不正会計の疑いが浮上

2016年7月27日付レポート:ジャスダック上場ピクセルカンパニーズ(コード2743)、新株予約権の行方に注目

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