■オリックス宮内義彦会長・長男が経営する東証1部ビーロットが今年2月、取引先のクラスターゲート株式会社(宮城県仙台市)という会社に支出した前渡金3億円の回収可能性に疑義があるとして、債権全額に貸倒引当金を計上している。ビーロットがクラスターゲートと組んでいることは、引当計上のリリースまで開示されていなかったが、同社は事件屋が跋扈する太陽光発電所計画「福島県松川町」などの危ない案件で登場しており、一般の事業会社とは質的に異なる相手先と言える。
■ビーロットのリリースによると、クラスターゲートとは大分県臼杵市の太陽光案件を進めていたようだ。これは、当サイトで既報の東証1部不動産会社のランドが福岡のティーティーエス企画と進めていたメガソーラー計画である。クラスターゲートは19年4月頃からこの計画の用地の一部を取得している。ビーロットは20年1月末に、クラスターゲートが臼杵市案件のために設立したと思われるビークルの業務執行社員に就任している。この取引は開示されていない。
■関係者によると、クラスターゲートはランドやティーティーエス企画と連携していたわけではない。「ランドが開発している虫食い状態の土地を先行取得し、ランド側に高値で買い取らせるというのが、クラスターゲートの狙い。ランドの林地開発許可が遅れた要因の一つにクラスターゲートらによる土地取得がある」(関係者)という。
■福島県松川町の案件は、当初ソーシャルレンディング大手「maneo」から多額の資金を引っ張っていたJCサービス(社長・中久保正己)が土地開発を進めていたもので、オーストラリアのインフラファンド「マッコーリーグループ」に売却された。事業は同ファンドが推進し、クラスターゲートは土地所有者という立場である。関係者によると、この案件では元の設備ID所有者が権利を二重譲渡するなどのトラブルが発生し、事件屋が介入。クラスターゲートはそこに割って入る形で松川案件に関与していったという。
■松川案件は未だ設備IDや地上権の代金を巡りトラブルの火種が尽きていない。臼杵市の案件での立ち位置や、
(文中敬称略)
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