■エイベックス(東証一部:7860)
11月2日付:平成30年3月期第2四半期(累計)連結業績予想の修正に関するお知らせ
今期2Qの業績予想を修正。売上高68,000百万円⇒68,400百万円(+400)、営業利益1,100百万円⇒840百万円(△260百万円)、経常利益1,100百万円⇒610百万円(△490百万円)、四半期純利益100百万円⇒△630百万円(△730百万円)と増収・減益修正した。同社は前期中に所轄の三田労働基準監督署より未払い残業代に関する是正勧告を受けており、報道等を総合すると1か月あたりの残業代は100百万円程度と考えられたが、こうした労務管理の適正化が結果として利益を圧迫している可能性がある。なお、未払いとなっている残業代を支払う場合、一般的に時効の2年前まで遡及して支払うが、エイベックスは遡及期間をあえて「7カ月」にすることで前期純利益を黒字化した疑いがあった。
本年7月17日付レポート:東証一部エイベックスGHDの残業代計上額は適切か 法定通り遡及なら17年3月期は赤字
■ナック(東証一部:9788)
7月26日付:会計監査人の異動及び一時会計監査人の選任に関するお知らせ
11月10日付:平成30年3月期第2四半期累計期間業績予想と実績値の差異 及び通期業績予想の修正に関するお知らせ
ナック側から監査契約の解除を申し入れた模様。今年6月、2013年6月に取得した通販事業の㈱JIMOSの企業結合に関する会計処理を巡り、当時会計監査人だった新日本有限責任監査法人から「会計処理の誤り」の指摘を受け、前期株主総会の前日に決算を訂正しており、監査法人との間で意見対立があったと思われる。当期の通期業績予想を売上高96,300百万円⇒94,100百万円(△2,200百万円)、当期純利益を850百万円⇒550百万円(△300百万円)下方修正。ナックは2015年3月期、2016年3月期も通期業績予想を下方修正しており、経営陣の「見通しの甘さ」が露呈している。
2016年12月5日付レポート:東証一部・ナック、大赤字の住宅事業に不審点 費用の繰り延べによる28年3月期決算黒字化の疑惑
2016年9月20日付レポート:「水のクリクラ」の東証一部・ナック、名誉会長の西山由之が代表取締役会長・寺岡豊彦を糾弾 「西山文書」全文公開 女性スキャンダルの存在も示唆
2016年9月15日付レポート:「水のクリクラ」で知られる東証一部ナック、業績悪化 60億円を投じた「本庄工場」は過剰投資ではないのか
本年2月21日付:OUTSIDERS注意喚起銘柄、最近の動向(2) DLE、郷鉄工所
本年2月13日付:OUTSIDERS注意喚起銘柄、最近の動向