【続報】“友好的アクティビスト”タイヨウ・ファンド、東証2部Jトラストを見限る 藤澤に敵対的な人物に株式譲渡か


■Jトラストの株価推移とタイヨウ・ファンドの持ち比率推移
■Jトラストの株価推移とタイヨウ・ファンドの持ち比率推移

■「友好的アクティビスト」を標榜し、日本のGPIFや米カリフォルニア州職員退職年金組合の資金を運用するタイヨウ・ファンド(CEO:ブライアン・ヘイウッド)が、投資先の東証2部Jトラスト(会長・藤澤信義)を見限り、藤澤に敵対的な人物に株を売り渡して波紋を呼びそうだ。
■タイヨウ・ファンドはJトラストがライツオファリングを実施するのに前後して同社株を買い付け、2013年6月、6.19%を保有する旨の大量保有報告書を提出。その後、同社株が2000円から1000円台で推移していた15年6月頃までに15%超に買い増していた
■しかし、Jトラストはライツの調達資金を使ったタイやインドネシアなどの東南アジア投資で損失を重ね、株価が低迷。タイヨウ・ファンドがJトラスト株を売買した時期の株価から推計すると、200円台で推移している直近の株価での損失は200億円にのぼると思われる。
■これ以上Jトラスト株を保有していても上昇余地がないと判断したのか、タイヨウ・ファンドは今年6月、保有する16,765,400株のうち4,250,000株を韓国のOK Holdingsに譲渡した。OK Holdingsはこれにより、Jトラストを8.63%持つ大株主となった
■注目はOK Holdingsの素性である。同社オーナーは山本潤という韓国籍の男性。山本は、韓国で消費者金融会社を経営する実業家で、かつて消費者金融・武富士のスポンサー契約を藤澤と争った因縁がある。当時、山本はJトラストと共同でスポンサーとなる話に乗ったが、梯子を外される形で、Jトラスト単独のスポンサー契約となったとされる。関係者は「禍根はまだ残ったまま、山本の藤澤に対する恨みは強い」と言う。
■タイヨウ・ファンドは発行体企業と友好関係を持つアクティビストと言われている。15年4月の『日経ヴェリタス』記事では、藤澤から社外取締役候補の相談をタイヨウ・ファンドが受ける蜜月関係が「経営陣と二人三脚」として、ファンドと発行体のあるべき姿のように語られていた
■だが、その結果としてJトラスト取締役会が有効に機能していたかについては疑問符がつく。Jトラストは当サイトがこれまで指摘していた通り、タイ金融会社・GLへの投資を巡る冒険的な訴訟戦術や、コンサル会社への株式不正取得の依頼、インドネシア銀行の不良債権に関する不正確な適時開示など、社外取によるチェック機能がきいているとは思えない事象が相次いでいる。
(文中敬称略、つづく)

2020年5月25日付レポート:金融グループJトラスト、アジア投資の「負の連鎖」(3)シンガポール子会社が「株式不正取得」を香港コンサル会社に依頼 藤澤ら最高幹部が決裁

2020年5月18日付レポート:【ミニ情報】東証2部プロスペクト巡るプロキシーファイト、「インサイダー取引」嫌疑の伸和工業が「Jトラスト」藤澤と野合

2020年5月7日付レポート:金融グループJトラスト、アジア投資の「負の連鎖」(2)インドネシア「Jトラスト銀行」の泥沼 黒字達成の裏に「不良債権の山」

2020年4月30日付レポート:金融グループJトラスト、アジア投資の「負の連鎖」(1)タイ転換社債「Gloup Leas」で訴訟戦術が裏目、短期利益追求で巨額損失 中経を重視か

2020年3月17日付レポート:金融グループ「Jトラスト」の誤算 シンガポール高等裁判所で露呈した粗略な意思決定 財務分析なく巨額投資を実行か

2019年10月1日付レポート:【ミニ情報】ジャスダック上場SAMURAI&J PARTNERS、融資先から証券子会社がコンサルフィー徴収 利息制限法を潜脱か

2018年6月26日付レポート:【ミニ情報】ジャスダック上場KeyHolder、「秋元康関与」のインサイダー情報事前漏洩、「情報伝達・取引推奨規制」に違反か

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