■本日、東京地検特捜部や警視庁捜査2課が、ジャスダック上場テラを舞台にした新型コロナ治療薬を巡るインサイダー取引事件に関連して、テラ提携先元代表の竹森郁と、「政界フィクサー」として知られるシンクタンク大樹総研(代表・矢島義成)の関係先を家宅捜索。関係者によると警視庁は、竹森郁を金商法違反容疑(偽計)で逮捕した。
■当サイト既報の通り、竹森は20年頃、ジャスダック上場テラの創業者・矢﨑雄一郎や、同社株に投資していたファンドのレオス・キャピタルワークスから、市場外でテラ株を取得。新型コロナ治療薬開発に絡む虚偽のリリースを開示し株価を高騰させ売り抜け、30億円とも言える売却益を得たとされる。
■矢島は、元々テラの顧問で、竹森とも昵懇。竹森は、テラ株売買で得た資金のうち、約15億円で、大樹総研が保有していた香川県・まんのう町におけるメガソーラーの開発権を取得していた。竹森が得たテラ株売買での利益の凡そ半分が、矢島側に流れたと言えた。
■なお、まんのう町のメガソーラーを巡っては、昨年6月に変死体で見つかったソーシャルレンディングサービス「maneo」元社長・瀧本憲治が、竹森が大樹総研から取得した開発権を取得していた。瀧本は、竹森の関係先による増資引受の資金を提供しようとしていたという。まんのう町メガソーラー開発権を巡っては、矢島、竹森、瀧本らの間で複雑な資金のやり取りがあると噂されていた。
(文中敬称略、つづく)
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